ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ州南西部の相撲大会に参加した女性選手

サンパウロ州南西部の相撲大会に参加した女性選手

 地域大会から州大会、全国大会、そして世界大会へと、毎年一年を通じてブラジル各地で開催される相撲大会。日本人移民が導入したブラジルの相撲の歴史は半世紀以上に上ります。3月4日にはサンパウロ州南西部の大会がサンパウロ市の隣町オザスコ市で行われました。

 本大会は男子の大会が第40回、女子の大会が第20回で、特にブラジル女子相撲は同地域が発祥の地で節目の年ということもあり、ブラジル女子相撲の創設メンバーの一人、坂下サブリナさん(37)にサンパウロの日本総領事から功労賞が贈られる場面もありました。


サンパウロの日本国総領事からブラジル女子相撲創設の功労者として表彰される坂下サブリナさん

サンパウロの日本国総領事からブラジル女子相撲創設の功労者として表彰される坂下サブリナさん

 サンパウロ州イタペチニンガ市出身のサブリナさんは、柔道と相撲の指導者だった父親、坂下義博さんの影響を受けて幼少の頃から柔道や相撲に親しんでいました。

 男女両方が参加できるスポーツでなければオリンピック種目には認められないということで、相撲をオリンピック競技に昇格させるため、1997年にブラジルでも日本と両輪で女子相撲が発足しました。

 サンパウロ南西部の日本語学校で女子生徒がまわしを締めだしたところ、
「女性が何てことをするの!」と教師からおしかりの声が飛んだと言いますが、サブリナさんが率先して仲間5人と相撲を取り始め、やがて女子相撲の輪はブラジル各地に広がっていきました。


相撲大会で土俵に上がるブラジル人女性

相撲大会で土俵に上がるブラジル人女性

 17歳からブラジル女子相撲を引っ張ってきたサブリナさんは、2000年の世界大会で団体3位入賞、昨年まで個人で大会に参加していました。サブリナさんの妹も相撲をしており、昨年は個人でブラジルチャンピオンに輝きました。

 サブリナさんの暮らすイタペチニンガ市では、相撲が公立のスポーツアカデミーで柔道と並んでクラスが設置されるほど町の人にも親しみを持たれています。

 現在は大会に足を運ぶと、日系人よりもがっちりと体格の良いブラジル人女性が土俵に上る姿が目につきます。一つの文化として、小さな女の子から大人まで親しまれています。

 2020年の東京オリンピック、日本の国技である相撲が正式種目に採用されれば、ブラジルでも歓喜の声を挙げる人がいるのは間違いありません。


相撲大会で土俵に上がるブラジルの少女

相撲大会で土俵に上がるブラジルの少女


土俵で整列するサンパウロ州南西部の相撲大会の参加者

土俵で整列するサンパウロ州南西部の相撲大会の参加者


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