ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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ロライマ州の州都ボアヴィスタ市

ロライマ州の州都ボアヴィスタ市

 ベネズエラの国家混乱急変で、ブラジルへの難民流入が止まらない。ブラジル最北端のロライマ州とアマゾナス州は同国と国境を接しており、近隣の先住民を中心に不法入国が相次ぐ。持ち込む疾病への対処や食料対策が問題になっている。
 ベネズエラ人の他国への移住は、ブラジルと国境を接しないパナマ、エクアドル、チリが主だった。が、陸続きのため比較的移動可能で食品が手に入りやすいブラジルを目指すようになった。


マナウス市近くのアマゾン川

マナウス市近くのアマゾン川

 新聞報道によると、「ブラジル政府は今年の5月までのベネズエラ人の難民申請数は8,200人に上る」と報告。8月末には1万人を突破するとみられ、保健衛生の面でも政府は今後の受け入れに苦慮している。


アマゾンのど真ん中・マナウス市

アマゾンのど真ん中・マナウス市

 ベネズエラ経済破たんの原因は、左傾化で独裁体制強化による政情不安と石油輸出だけに頼る経済。埋蔵量は世界屈指と言われながら、近年の価格下落で国内経済は埋没寸前だ。ハイパーインフレが襲い、品不足や物価が高騰。国民の不満は頂点に達し、政府への抗議デモでは死傷者が多数出ている。
 経済低迷の合間を縫い、中国が大型援助を検討中だ。また、マドゥーロ大統領政権が左傾化し独裁体制強化の中、混とんとした社会情勢に米国政府は軍事介入を示唆した。両国は長年対立関係にある。大国の介入が見え始めた。


マナウス市近くのアマゾン川

マナウス市近くのアマゾン川

 ブラジルはエクアドルとチリ以外のすべての南米大陸諸国と国境を接しており、人の往来は容易だ。何度かブラジル最南端のリオグランデ・ド・スール州サンタナ・ド・リブラメント市へ行ったが、空港はウルグアイ側に位置し、そこから車でブラジルへ入る。国境検問はなく、日本的感覚で考えると信じられない光景だった。


 ヨーロッパ各国がアフリカやアラブ諸国からの難民流入に手を焼く現在、この問題は南米にも波及した。さらに増加するのか、ブラジルでは国民の関心が高まっている。


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