ハト感覚でニワトリの親子が生息する公園
2017.05.30 up
サンパウロ市内のアグアブランカ公園で暮らしているニワトリの親子
門をくぐって散歩を始めると、あっちにもこっちにもニワトリが歩いている―。卵を温めている親鳥もいれば、数匹のひよこが母鳥についてちょろちょろと歩いていく。そんなほのぼのとした光景が広がるのが、サンパウロ市内の州立アグア・ブランカ公園です。
ベンチに座っていると、ハトではなくニワトリが近づいてきて餌を期待されるのは、ブラジルでも珍しい公園です。
サンパウロ市内のアグアブランカ公園で暮らしているニワトリ
10年以上前、日本で鳥インフルエンザが社会ニュースとなっていたことがありました。ヒトに感染することはほとんどないと言われても、ニュースになると何となく人間とニワトリは近くにいてはよくないような気にさせられたものです。
そんな思いも一掃される同公園。敷地内では、シャッターチャンスにはこと欠かないほど、公園全体にニワトリが暮らし、増え過ぎた鶏を一部収めるかのように、公園の真ん中にはニワトリの収監施設が設置されています。
いわゆる地鶏。元気に走り回って引き締まったおいしそうなニワトリ。まさに手の届く範囲で地鶏がちょろちょろしていると、泥棒の多いブラジルだけに捕まえる人がいるのではないかと心配になりますが、公園内では警備員もおり、皆マナー良く過ごされています。
サンパウロ市内のアグアブランカ公園の鶏小屋で飼われているニワトリ
1929年に開設されたアグアブランカ公園で、このようにニワトリが暮らすようになったのは2010年ごろからのことです。景観プランナーでもある当時のサンパウロ州知事夫人の活動によって、公園がリフォームされたということです。
ニワトリだけでなく、サギ(サルの一種)、アヒル、クジャク、ネコまでが、公園内で人間を恐れることなくのんびりと暮しています。ニワトリも1種類ではなく、白、黒、茶色、ブラジルではガーロと呼ばれるもう少しカラフルなタイプなど見ているだけでもいろいろな種類がいてユニークです。
公園では、オーガニック食品のフェイラ(朝市)や文化イベントなども催されているほか、ブラジルの鉱物や化石を紹介する小ミュージアムや平日には乗馬教室も行える施設があります。
サンパウロには個性ある大小さまざまな公共公園があります。メトロの終点駅の一つであるバハフンダ駅から徒歩約7分と立地条件も良いアグアブランカ公園は、今、市民のひそかな憩いのスポットです。
サンパウロ市内のアグアブランカ公園の遊歩道を散歩するアヒル
サンパウロ市内のアグアブランカ公園で暮らしているニワトリ
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