ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ポルトガル菓子工房マリア・クリスチーナ

ポルトガル菓子工房マリア・クリスチーナ

 ポルトガル人が誇るポルトガル菓子。その中でも、「サンパウロで一番おいしいポルトガル菓子店」と、ポルトガル人やその子孫からも評判のお店があります。ポルトガル菓子工房マリア・クリスチーナ(Maria Cristina)です。

 サンパウロ市内にはいくつものポルトガル菓子店があり、ポルトガル菓子はお菓子店だけでなく、ケーキ売り場などでもショーケースに並んで販売されていることがあります。

 マリア・クリスチーナの創業者マリア・フェルナンダさん(85歳, ポルトガルのアルベルガリア・ドス・ドーゼ生まれ)は、1980年代初めにサンパウロ市内で菓子の製造・販売を開始し、今も現役で娘のスザナ・クリスチーナさん(49)と一緒に工場で菓子作りを続けています。


マリア・クリスチーナの創業者マリア・フェルナンダさん

マリア・クリスチーナの創業者マリア・フェルナンダさん

 マリアさんは1952年に郵便局員としてポルトガル領のマデイラ島に渡り、島のワイン祭りで島民のご主人に見初められ、翌日にはバラの花束を贈られて結婚することになりました。4人の子に恵まれ、大好きなマデイラ島で暮らしていましたが、74年のポルトガルのカーネーション革命を機に島を出て、ご主人と子どもたちを連れてサンパウロに渡ることになりました。現在、一緒にお菓子作りをして店を切り盛りしているのは、6歳でマデイラ島から移民した末っ子のクリスチーナさんです。

 ポルトガルを離れても、かつてポルトガル王がリスボンからコインブラに移動する街道の町で生まれ育ったマリアさんは、ポルトガルのおいしいお菓子には人一倍こだわりがありました。サンパウロで作られ始めたマリアさんの繊細で優しい味わいのポルトガル菓子は口コミで人気となり、今は市内各所から注文を受けて配送しています。


マリア・クリスチーナの店内

マリア・クリスチーナの店内

 ポルトガル菓子と言えば、日本でもエッグ・タルトの名前で知られるものがありますが、ポルトガル語ではパステル・デ・ナタというのが一般名です。パステル・デ・ベレンという呼び方もありますが、この名前はこのお菓子の有名なブランド名が通称になったものとして知られています。

 店先には大きなパステル・デ・ナタの写真があり、店内にはお菓子を作るマリアさんとご主人にそっくりな似顔絵パネルが飾られているのが印象的です。


ポルトガル菓子店カーザ・マチルデのショーケース

ポルトガル菓子店カーザ・マチルデのショーケース

 ブラジルのとことん甘いお菓子に比べ、上質なポルトガル菓子は日本人の口にも合いやすく、見た目もシンプルですがかわいらしさがあります。マリア・クリスチーナだけでなく、かつてポルトガル王御用達だったと言われるポルトガル菓子店カーザ・マチルデ(Casa Mathilde)もサンパウロ市の中心街にオープンしており、おいしさと雰囲気の良さからよくお客さんが出入りしています。

 ブラジルでもポルトガル菓子は「ポルトガル本国と同じおいしさ」が人気の秘密のようです。


ポルトガル菓子店カーザ・マチルデの入り口

ポルトガル菓子店カーザ・マチルデの入り口


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