衆議院は２２日に投開票される。これを機に、ブラジルの選挙事情と伯国在住日本人の在外選挙について触れたい。
　国会は下院（任期４年、５１３人）と上院（同８年、８１人）の２院制になっている。大統領、州知事選と上下院議員選挙は４年ごとに毎回１０月第１週の日曜日に行われる。大統領と州知事選では、獲得票数１位でも５０％未満だと、同月最終週の日曜日に上位２人の決選投票となる。

　投票所は近くの学校、公的機関や協会などを使用し、候補者名記入ではなくコンピューター投票。手続き後、あらかじめ決められた候補者の番号を打ち込み、「はい」、「いいえ」か「白紙投票」のボタンを押せば済む。この方式が国民に広く受け入れられているのは、国土が日本の２３倍と広く、アマゾン川流域では超過疎になっている地域もあり、また、非識字率が依然１０％近いからだ。大勢は翌日判明する。

　投票は国民の義務になっており病弱、高齢、旅行中など正当な証明がなければ罰金を科せられる。投票率は毎回８０％前後と高い。大統領、州知事選と上下院議員選挙は来年１０月。年明けから本格的な選挙運動が始まる。
　国会における日系議員は下院だけで常時５人前後が当選している。謙虚で寛容な議員と評判はいい。日本の文化を立派に受け継いでいる。ブラジルの日系人総数は１８０万人ほどで全人口約２億人の約１％。日系下院議員数も総議席数の中で同比率というのが興味深い。

　日本の選挙では在ブラジルの日本人にも投票権がある。ただし、在外選挙人名簿に登録の上、「在外選挙人証」の手続きをして交付を受け、投票時には在外選挙人証と写真付きの身分証明書を提示しなければならない。
　今回の?混迷?衆議院議員選挙はどんな結果になるのか。ブラジルで暮らす日本人も関心を持って見守っている。

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