メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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デパートでの日常

2016.09.02 up

 一昔前までよく言われていたのが「メキシコの店員の接客態度は劣悪で、お客はあくまでも買わせていただく立場だ」ということ。日本の「お客様は神様です」という精神は当時のメキシコではあり得ない様子だったそうです。

 ですが近年、SNSの普及により、店員の態度の悪さや店の状態の悪さがお客さんから直接「投稿」「タレコミ」されることも多く、場合によっては「通報」もされてしまうことから、店員の接客態度は随分と良くなってきたようです。


見たい商品に近づけないデパートの売り場

見たい商品に近づけないデパートの売り場

 先日、市内のそこそこ高級なデパートに出向いた時、ふと目にした光景がありました。

 メキシコの大型商業施設には大抵、一流デパート2軒、映画館、を中心に100軒前後の小売店やレストランがあり、お客さんはそれぞれを目指していくもよし、ブラブラと歩くもよし、それぞれの時間を楽しみます。
 その「一流デパート」のキッチン用品売り場にて。

 平日の午前中ということもあってか、客もまばらで、むしろ店員の方が多い状態なのですが、店員がまったくいないスポットがあるかと思いきや、一箇所に固まっていたり。
 この日、私が遭遇したのは「店員の吹き溜まり」。
 客の私が見たい商品のたまたまそのスポットに、10人ちかい女性店員が固まり、朝のミーティングかと見紛うほどの井戸端会議(うちの姑がどうの、昨夜のレストランがどうの、という内容)でもりあがり、さっぱり物を売ろうという気配が感じられません。客である私もそれに怖気付いて、目当ての商品にたどり着くのを諦めてしまうほど。
 ちょっと日本ではあり得ない光景です。


お母さんよりもおもちゃが気になって仕方ありません

お母さんよりもおもちゃが気になって仕方ありません

 もう一つ、あり得ない光景。
 日本にもあるスペイン系の洋服、服飾雑貨の店の女性物コーナーで、どこかにいる母親をよそにさっき買ってもらったばかりのおもちゃの箱を広げて床に座り込む幼い兄弟と、その横に立ち尽くす暇を持て余したお父さん。
 店員も店の警備員も何も言いませんし、気にもしていない様子。
 あくまでも「フリースタイル」なメキシコです。

 また、日本では当然の「飲食物のお持ち込みはご遠慮願います」も、ほぼここでは意味をなさないのが現実。試着をする時に、ソフトクリームだかなんだかの食べ物のシミがついたものを見つけるのも難しいことではありません。


 日本と違う、というのは良くわかりますが、商品を汚される店にとってはたまった物ではありません。ですが、店側もそれをあまり気にしていないのだとしたら、それはそれでおおらかで平和だ、とも言えるのかもしれません。



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