『カーザ・ブルガラ(ブルガリアの家)』の店頭に並ぶ様々な具の詰まったブレカ
情報化時代とはいえ、世界中の情報が手に入っているようでそうでもないと思わされることがあります。
そんな国々に東欧諸国があります。
日本にいても、ブラジルにいても、特に研究者や縁故でもない限り、知っているようで、いや、知っていないようでやっぱり知らない国々が、東欧諸国だと思います。
パイ生地にホウレンソウとブルガリアのチーズが詰まったブレカ
サンパウロ市内に、半世紀近く前にブルガリアから移民してきたユダヤ人女性が、30年以上営業している軽食店があります。『カーザ・ブルガラ(Casa Búlgara)』というお店です。
店のある付近は現在、韓国人街として知られています。かつては東欧からの移民が多い場所だったということで、今もユダヤ人のシナゴーグ(ユダヤ教会堂)などを見かける場所です。
近年、ブルガリアから移住した人によると、『カーザ・ブルガラ(ブルガリアの家)』は今のサンパウロでは唯一といってもいいブルガリアに由来する軽食店で、人気商品がブレカと言われる料理です。食事時間にはお客さんが次々とブレカを購入し、次々と新しく焼きあがっています。
『カーザ・ブルガラ(ブルガリアの家)』のカウンター
ブレカはベーグルやドーナツを思わせるリング型で、パイ生地がベースになっています。一見すると、どこにでもあるような親しみやすさを感じさせます。
ブルガリア料理店とはいえ、リング型の食べ物はユダヤ文化や中東にルーツがあると聞いたことがあり、ブルガリア生まれのユダヤ人のお店だけに、ユダヤ風ブルガリア料理を思わせます。
リング型のパイ生地の中に、具がたっぷり詰まっているというのが新鮮で、具は9種類ほど選べます。名物のホウレンソウとブルガリアのチーズの他、ひき肉とナスビ、ゴルゴンゾーラチーズなどが選べ、ブラジルで生まれたメニューではないかと思わせる無国籍なメニューも並んでいます。ブルジル料理に比べると、薄味で上品なおいしさです。
『カーザ・ブルガラ(ブルガリアの家)』の入り口
ブラジルには第一次世界大戦後や第二次世界大戦後、貧しさや迫害の危機などを逃れた中欧や東欧の人も移民、亡命してきました。米国や西欧各国と並んで、中欧・東欧からの移民を受け入れてきた国の一つがブラジルです。東欧からの移民にはアシュケナージ(東欧のユダヤ人)も少なくありません。
ひっそりと続くブルガリア料理店のブレカに、かつて移民したブルガリアの人々やアシュケナージの足跡を垣間見ます。
『カーザ・ブルガラ(ブルガリアの家)』の近くにあるシナゴーグ(ユダヤ教会堂)の一つ
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3 - Comments
いとうより:
2013 年 10 月 11 日 11:46:04
いとうです。
以前、ブルガリアからのレポートにコメントしましたが、ブルガリアと
いえば「ヨーグルト」しか思いつきません。パイ生地ということは、
ドーナツ型のクロワッサンに具材を入れて焼いたもの、という感じで
しょうか。
味は想像できる感じで、おいしそうですね、お昼近くで、お腹空いて
きました。
石田より:
2013 年 10 月 18 日 01:33:39
ブラジルは東欧からの移民は多かったのでしょうか?
不勉強で、日本からの移民は多かったということは勉強した記憶があるのですが。
oouraより:
2013 年 10 月 18 日 05:17:41
〉いとうさま
かなりあっさり味で日本でも受けそうな味です。要はドーナツ型のパイ生地に具を詰め込んでいるという感じなのですが、かなり具がたっぷりです。食べたことのあるような味や食感でありながら、この形が珍しいと思います。日本のこ洒落たレストランなんかで登場するのには似合いそうだし、人気商品になりそうな趣です。
このドーナツ型の食べ物というのは、アメリカ発祥と言われるベーグル然り、多分、ドーナツもかもしれませんが、ルーツはユダヤ文化にあると思います。
〉石田さま
東欧からブラジルへの移民は、ポルトガルやイタリアなどに比べれば少なく、文化的にラテンとは異なり、日本人のようにコミュニティーでまとまって助け合ってきた過去の歴史があるようです。ただ、中欧や東欧からの移民(ユダヤ人を含む)は各国の単位で言えば日本からの移民よりも少ないものの、特に、戦後はインテリ階級や支配者層が政治体制を逃れて逃げてきた人も多く、ブラジル社会の発展への貢献度はかなり高かったとみています。
東欧から移民した人はブラジルよりは西欧、もしくは米国へ行くことが多かったし、現在もその傾向は高いかと思います。個人的には、かなり東欧からの移民史は興味深いと思っており、また、東欧の方々は日本の感覚でもかなり接しやすい習慣のある人たちだと確信しています。
戦前に満州で出会ったロシア人と日本人が結婚して、戦後、ロシア人の奥さんはサンパウロに移民したという話を、北海道新聞で読みましたが、ロシアとその周辺の国々からの移民の話も興味は尽きません。国境とは何か、国籍とは何か、民族やアイデンティティーとは何かを考えさせられます。
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