台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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学生たちが開発したゲームコーナー

学生たちが開発したゲームコーナー

 台湾の高校以下の学校が冬休みに入って初期の1月29日~2月1日に、台北国際ゲームショウが開催されました。ゲーム好きにはたまらないイベントですが、必ず登場するのが「インディースハウス」という開発者がユーザーと直接交流し、自身のゲームのPRだけでなく、実際にプレイしてもらって、感想や意見を拾う場です。

 今回のゲームショウは、インディースハウスで驚いた経験を紹介していきます。


國立中央大學のブースより

國立中央大學のブースより

 初日に、日本の国旗にひかれて訪れたのは、國立中央大學のブースでした。話を聞いていると、日本の洗足学園大学の学生たちと共同開発したゲームで、「日本語版もある」ということでプレイしました。

 


2日続けてここでプレイしていました

2日続けてここでプレイしていました

 ゲームのタイトルは「我們的蜂狂人生(直訳:あたしたちの蜂狂いの人生、日本語名:ビジーライフ)」。

 内容は、大学1年の迷える女子大生の林采楓と李詩晴が、旅行先の台湾・墾丁(注:台湾最南端の地で、観光スポットとして有名なところ)で偶然出会った養蜂農園で働く女性・レイチェルの誘いで、養蜂の仕事を体験しながら蜂の生態や自然への理解を深め、自身の進路を少しずつ方向付けていくアドベンチャーゲーム。養蜂に関する部分はアクションになっています。

 テキストの部分が言語を選べたので、日本語でプレイしましたが、翻訳の正確さにただただ圧倒されました。

 日本人がサポートしていたそうで、「なるほど」と思ったのですが、漢字がたまに中国で使われている簡体字で出てきたり、各キャラクターの言葉遣いが前半と後半で微妙に違ったり、というのに引っかかりを覚え、担当の方にお話ししました。あと、日本と台湾の社会の違いが大きく出ているシーンがあり、そこを指摘したら、制作者たちが基礎的なことを忘れていたことに気づく、ということもありました。



【参考】
https://youtu.be/Rx--FTrgG3o?si=Y3OmWCYYib6b_86S


幽海工作室の「寂靜沉輪(S i l e n t  W r e c k a g e)」

幽海工作室の「寂靜沉輪(S i l e n t W r e c k a g e)」

 上の写真も学生のコーナーで見かけたものです。「寂靜沉輪(Silent Wreckage)」は、深海に沈んだ豪華客船の中に入り、棲みついたモンスターの目をかいくぐりながら、船が沈んだ真相を探っていく1人称ホラーアドベンチャーゲームです。

 多言語対応だったので、こちらも日本語でプレイしましたが、一部の漢字が中国の簡体字だった以外は、全く問題がなかったので、担当の方に話を聞いたら、とても有名な対話型生成AIサービスを使用したということでした。

 その精度の高さには圧倒され、本当に驚かされました。



【参考】
https://www.instagram.com/abdeepecho/


火箭企鵝(ロケットペンギン)

火箭企鵝(ロケットペンギン)

 上の写真のは学生のコーナーではなく、一般の開発者コーナーで見かけたもので、「火箭企鵝(ロケットペンギン)」というものです。ロケットなどを使って、ペンギンを操作して、フライトマスターを目指すゲームです。しっかり操作しないと、重力で落下してすぐゲームオーバーになってしまうので気が抜けないゲームでもあります。

 こちらも日本語でプレイしましたが、前出の「寂靜沉輪(Silent Wreckage)」の制作チームと同じ対話型生成AIサービスを使って日本語版を作成した、ということでした。

 実際にプレイして、テキストに出てくる日本語を確認してみたら、前出の制作チーム同様、漢字が中国の簡体字になっていたので、納得でした。

 今回の経験から振り返ってみると、AIの翻訳技術の進化が早く、このまま精度が上がっていけば、確実に人から取って代わる存在になると思いました。例えば、複数言語による記者会見の場では、この技術を活かした装置とシステムを構築し、話したことをしっかり文字化でき、残せるようになれば、通訳を省き、時間と人件費を節約することができるようになるのでは、と思わずにいられませんでした。

 科学技術の進化のような新しいものを割と抵抗なくすんなり受け入れる感がある台湾なら、あっという間にその波が来て、気がついたらほとんど変わっている、という展開が待っているのかもしれません。

 言語の通訳や翻訳の未来は、明確に「(絶対)人でなければならない理由」というのが説明できない限り、携わっている人はAIや進化する科学技術の波に呑まれて淘汰されていくのではないか、というのを強く感じました。

【参考】
https://store.steampowered.com/app/2439990/_/?l=tchinese

https://x.com/RetroFiveGames?s=20


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