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スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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遠くからでもすぐ見つけられそう? 元給水塔だったホテル

遠くからでもすぐ見つけられそう? 元給水塔だったホテル

 気温がぐっと下がり、雪が舞い始めた11月下旬、スイスとの国境にほど近い、ドイツ南西部にある湖畔の町ラドルフツェル・アム・ボーデンゼー(Radolfzell am Bodensee)を訪れました。

 この小さな町で昨年オープンしたばかりの、あるユニークなホテルに泊まってみたかったからです。

 一見するとホテルというより展望台か管制塔にしか見えません。なかなか近未来的な建物にも見えますが、この建物はもともと1956年に建てられた給水塔でした。


昔はこのようなレトロな風貌の給水塔でした

昔はこのようなレトロな風貌の給水塔でした

 ところが1979年の時点で既に給水塔としての役目を終えていたのだそう。その後は数十年間も放置された状態だったといいます。

 そこである建築家一家がこの古い給水塔を買い取りホテルに改装、しかも一般的なホテルではなく、環境負荷軽減や再生可能エネルギーを取り入れた、いわゆる「サステナブルホテル」へと大変身させました。


部屋からはパノラマビューが楽しめます

部屋からはパノラマビューが楽しめます

 世界初のゼロエネルギー高層建築物ということで、世界各地から専門家がこのホテルを視察しに訪れるほどです。

 なんでも100%電力供給は自力で行っているそうで、熱需要は太陽熱発電システムや水力発電システムを用いているのだとか。よく見ると、建物の表面に太陽光パネルが大量に貼られているのが見えますが、その数約1000枚とのこと。


唯一の難点は、ベッド横にシャワーブースがあり、目隠しもなく入りにくかったこと(苦笑)

唯一の難点は、ベッド横にシャワーブースがあり、目隠しもなく入りにくかったこと(苦笑)

 さっそくホテル到着後、建物内に入ろうと思ったら入り口が施錠されています。フロントデスク呼び出しを押して中へ。

 レセプションは普通入り口近くにありますが、このホテルは11階にありました。同じ階には朝食用レストランや展望テラスもあり、外見だけでなく内部もユニーク。


部屋からラドルフツェル旧市街が見えました

部屋からラドルフツェル旧市街が見えました

 滞在していた部屋も、通常の宿泊室とは異なるさまざまな省エネの工夫がされていました。例えば水は蛇口をひねって出すのではなく、スイッチになっていたり、窓も断熱・遮熱効果がある5層構造の複層ガラスだったり。

 従来のホテルと違うシステムに戸惑う宿泊客も少なくないそうですが、われわれは気持ちよく滞在することができました。


【ホテル・アクアトゥルム・ラドルフツェル(Hotel aquaTurm Radolfzell)】

ホームページ(英語)
https://aquaturm.de/en/ 


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