スイス

スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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岩場の穴から外の様子をうかがうマーモット

岩場の穴から外の様子をうかがうマーモット

 今の季節、スイスの人々が楽しみにしているのは「ジビエ」。ジビエとは狩猟などで仕留めた野生動物を使った伝統料理で、スイスなど欧州では風物詩的な料理です。

 この国でおなじみのジビエといえば鹿やイノシシ料理などですが、ちょっと変わった、そしてスイスらしいジビエとして、アルプスマーモットも一部地域で食されたりします。マーモットはヨーロッパの山岳地帯の、特に400メートル以上の標高がある地域に生息しているげっ歯類の動物です。


ぽっちゃりとして可愛くりんごを食べるマーモット

ぽっちゃりとして可愛くりんごを食べるマーモット

 スイスの観光隊長的な役割も担っているマーモットは、そのぽっちゃり体型と、食べ物をくれる観光客に愛嬌を振りまく人気者であるがために、マーモットを使った料理を提供しているジビエレストランが、インターネット上で謂(いわ)れのない誹謗中傷の憂き目に遭ってしまうことも。


こういう場所でもマーモットが暮らしています

こういう場所でもマーモットが暮らしています

 ただマーモットはスイスのアイドル的な存在であると同時に、該当州当局が個体数を管理すべき野生動物であり、害獣でもあります。

 数年前にある自治体でマーモットが過剰繁殖し、農地や牧草地にその鋭く長い前足の爪で穴を掘りまくった結果、農耕作が不可能になったり、家畜が掘られた穴に落ちてけがをしたりするケースが起こってしまいました。


ある町の市場で販売されていたマーモット&ハーブ軟膏。筋肉や関節への深部温熱効果があるのだとか

ある町の市場で販売されていたマーモット&ハーブ軟膏。筋肉や関節への深部温熱効果があるのだとか

 農業・酪農、そして畜産業が大きな被害を受けただけではなく、天敵から身を守るため、人の生活圏にまで来ては住居内に侵入してきたり、民家の壁をかじったりする個体もいるのだそう。

 ちなみに個体数管理のため仕留められたマーモットは、ジビエとしてレストランに卸されたり、脂肪分は軟膏となって山岳地帯のおみやげ屋さんや他地域の市場などで販売されたりしています。



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