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アメリカ:シアトル

ハフマン・ワカバ

職業…兼業主婦(メーカー勤務)

居住都市…シアトル(アメリカワシントン州)

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路肩走行がダメな時は赤いバツ印

路肩走行がダメな時は赤いバツ印

 ある調査によれば、シアトルの交通渋滞は全米でワースト5とのこと。私は自宅から会社まで片道43キロをドライブする身なので、朝夕の交通ラッシュの状況次第で、出社後や帰宅後の気分が大きく影響されるといっても、過言ではありません。また夏休みや早朝など交通量の少ないときの通勤時間35分に対して、雨が降る週の中日は2時間かかる場合も。朝1に会議が設定されている日は気が気ではありません。


 このように交通渋滞は多くの市民の悩みのため、州の交通局も対策をいろいろと打っています。シアトル周辺には南北を結ぶ高速道路と東西を結ぶ高速道路が走っており、州間高速道5号、405号、90号、そして州道520号と名前がついています。もともと乗車人数2~3人以上なら利用できるHOV(High Occupancy Vehicle。多人数乗車車両)レーンはありましたが、それだけでは解決にならず、高速道路の有料化がまず行われました。


 有料化の例をあげましょう。ワシントン湖をまたぎ、シアトルと東部の町ベルビューを結ぶ州道520号は湖にかかる浮橋区間が有料で、利用料の最高金額は$4.30(約456円)。ここを通らない場合は、520号の南を走る90号を利用できますが、たいがい520号のほうが目的地まで早く着きます。

 また405号もエクスプレス・トール・レーンと呼ばれる有料車線があります。例えば平日の朝5~9時、午後3時~7時のピーク時に2人以下で利用する場合には$10(約1060円)がかかります。また3人以上乗っていてもFlex Passと呼ばれるパスをつけていない場合は料金が取られ、なおかつ郵送で請求書が送られてくるため、追加料金が2ドルかかります。

 先日405号を夕方のラッシュ時に利用したのですが、そこは15マイル(約24キロ区間)の使用が$10でした。急用があったので、電光掲示場で料金と節約できる時間をにらめっこしながら、じりじりと進んでいたのですが、結局は$10を惜しんでしまいました。もちろん日本の高速道路に比べれば安いとは思うのですが…。

 州の交通局の調査では、有料車線を使うことで節約できる時間は11分~12分ほどとのこと。本来のことわざの意味とは違いますが、“時は金なり”なのです。  


Flex PassはGood To Go! Passとも呼ばれ、利用目的に応じTOLL(高速道路通行料)とHOVのモードを切り替えます

Flex PassはGood To Go! Passとも呼ばれ、利用目的に応じTOLL(高速道路通行料)とHOVのモードを切り替えます

 さらに405号では2年前から路肩走行も始まりました。こちらは有料区間の一部で特定の時間にだけ路肩利用を許可するものです。電光掲示板で緑の矢印が表示されていれば走行OK。上記のラッシュ時にも利用可能だったのですが、車が数珠繋ぎに並ぶ中、一番右端のレーンまで車線変更を繰り返してたどり着くのが面倒に感じられ、私は使用しませんでした。


 The Puget Sound Regional Council (PSRC)という都市計画の団体によれば、シアトルやその周辺を含むピュージェット湾エリアでは、2050年までに120万件の仕事に対して、180万人の移住が見込まれるそうです。アマゾン、マイクロソフトなどの発祥地としてだけでなく、フェイスブック、グーグルといったオフィスも建ち並ぶIT企業のメッカになりつつあるため、生活費が高騰を続けるカリフォルニア州などから、人の流入が増えているのです。

 高速道路有料化や路肩走行などの取り組みに加え、旅客鉄道ライトレールの運行エリア拡大が進んでいますが、在宅勤務といった運転手側の変化(そのためには企業の協力が必要ですが)も必要になってきそうです。


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