台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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決勝戦の選手入場より

決勝戦の選手入場より

 昨季からですが、HBLの3位決定戦と決勝戦では、選手は家族と入場するようになりました。選手の多くは、両親のどちらかと入場しますが、中には祖父母や兄弟姉妹と入場する場合もあります。

 選手たちとその家族の表情を見ていると、照れや恥じらいは多少あるようですが、どちらもうれしそう。選手にとっては、一種の親孝行のようなものであり、家族にとっては、観衆が集まる台北アリーナの真ん中を選手である子どもと一緒に歩けるだけでなく、わが子の成長を間近で見らえる喜びがあるのが魅力でしょうか。

 上の写真は、3月5日の女子の決勝前の入場時の様子。
 右側にいる高雄市私立普門高級中學(以下、普門高中)の廖哲億(リャオ・ザーイー)ヘッドコーチ(以下、HC)らは、自信に満ちた表情で選手を迎え、選手も夢見た決勝の舞台に家族と一緒に入場でき、食中毒で苦しんだ1年前と打って変わって会心の笑顔でした。

 この様子を見ていて、前回紹介した光景を思い出し,「ついにここまで来たか」と思い、涙が出てきてしまいました。


試合中の様子

試合中の様子

 普門高中の決勝の相手は、過去に2連覇を達成したこともある台南市立永仁高級中學(以下、永仁高中)。今季は1、2年でのチーム構成になっていますが、中等部からずっとプレーしてきている選手が多くを占めていることもあってか、プレーに安定感があり、起伏が少ないのが特徴です。

 一番厳しい相手ですが、日本で培ってきた技術で永仁高中を圧倒し、74-58で勝利し、優勝しました。


ついに訪れた歓喜の瞬間

ついに訪れた歓喜の瞬間

 試合終了後は、喜びが爆発。上の写真の時、廖HCは応援に駆けつけた恩師の謝玉娟(シェ・ユゥイジュエン)HCと涙を流しながら抱擁を交わしていたそうです。


廖HCの胴上げ

廖HCの胴上げ

 選手同士で歓喜の抱擁を交わしただけでなく、廖HCらの胴上げも行われました。

 聞けば、3年生の選手の多くは普門高中の中等部出身で、その時、チームが規定違反でJHBL(注:台湾の中学バスケのことです)の1年の出場停止処分を受けていて、試合に出場することもかなわず、高校進学後も悶々(もんもん)とした日々を送っていたそうです。

 1年時に屈辱と挫折を味わい、2年時に外的影響で不完全燃焼に終わりましたが、3年時に大きな花を咲かせました。


チームのメンバーと一緒に記念撮影する大神訓章氏(最後列左から2人目の白髪の男性)

チームのメンバーと一緒に記念撮影する大神訓章氏(最後列左から2人目の白髪の男性)

 チームの躍進に大きく貢献したのは、アドバイザー就任後に選手とコーチングスタッフに指導法や管理法、戦術などを指導した大神訓章氏。2016年4月までアドバイザーを務めていましたが、その時は夫婦で高雄に滞在し、選手たちと寝食を共にしながら自身の経験と技術を伝えていきました。

 期間満了に伴い、アドバイザーから退いてからも、試合のたびに台湾を訪れ、選手の様子を見てきただけでなく、廖HCにその都度アドバイスをしていきました。

 自分が長い間見てきた高校バスケ・HBLで、「日本式」が見られ、更には優勝したというのは、感慨深いものです。何より、選手とコーチがさまざまな力を借りながらも3年で着実に成長し、結果を出した姿には、学生スポーツの魅力が凝縮されているような気がしました。


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