台湾の高校バスケHBL 100点満点のバスケ
2017.05.25 up
第2戦の私立南山高級中學(以下、南山高中)戦
今季のHBLも、いろいろなことがありました。今回からその「いろいろ」を紹介していきたいと思います。
まずは、女子の台北市立第一女子高級中學(以下、北一女)です。残念ながら2月の準決勝リーグで敗退しましたが、その中で光るものがあったので、紹介します。
2012年の優勝後(下記URLを参照)、3年連続で3位、昨季は準決勝リーグ敗退と下降線をたどっていて、その雪辱に燃えた今季。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201231818732
チームの状態は、あまり芳しくありませんでした。
最終戦の台南市立永仁高級中學(以下、永仁高中)戦
例年、1年生の選手が1~2人、ベンチ入りメンバーに入っていますが、今季はゼロ。普段の練習でも自分で判断して動けず、コーチの指示もしっかり理解できず、「とてもじゃないけど試合では…」というのが、練習を見ている限りでの1年生の状態でした。加えて、準決勝リーグの直前合宿では、少しばかり選手間の不和のようなものもあり、常に不安がつきまとう状態でした。
準決勝リーグの初戦は勝利したものの、2戦目の南山高中戦は集中を欠くプレーが目立ち、68ー72で敗れましたが、これが後々、大きく響いてきます。
体格差を恐れず、反撃しますが…
途中の試合では、オーバータイムの苦しい試合を制して、ドラマ「スクールウォーズ」の最終回の選手とコーチの抱擁をほうふつさせるシーンが再現されたこともありましたが、4勝2敗で最終戦を迎えました。
最終戦の相手はすでに決勝進出を決めていた永仁高中。北一女が決勝トーナメントに進むには、この試合で勝利し5勝2敗にするか、敗れた場合はほぼ同じ時間に別会場で試合をしている3勝3敗の南山高中が敗れて3勝4敗になるか、で決定します。同じ成績の場合、直接対決で北一女が敗れているいので、南山高中が決勝進出です。
応援に駆けつけた先輩たちに一礼
試合は、前半終了時で43ー27。いい状態で、後半に入れると思いきや、開始2分足らずで3ポイントシュート2本を含む8失点で一気に追い上げられ、怪しい雲行きになっていきます。
第3クオーター終了時で49ー47。最大16点差をここまで追い上げられ、あとは防戦一方となり、残り5分34秒の時点で逆転を許し、61ー66で敗れました。最後の20秒で3ポイントシュートを2本決め、気迫を見せましたが、届きませんでした
そこからしばらくして、別会場の南山高中が勝利したことが伝わり、北一女の敗退が決まりました。
*試合の様子
https://tw.video.yahoo.com/hbl/北-女中vs-永仁高中-20170212-hbl女子複賽-065812809.html
試合後、記者たちの取材に対応する駱燕萍(ルオ・イェンピン、右から2人目)ヘッドコーチ(以下、HC)
試合終了後、3年生の選手たちはみんな涙を浮かべながら、応援席に一礼し、その後すぐ控え室に入っていきました。最後のミーティングと新キャプテンを決める引き継ぎを行い、終了後に駱HCが取材に対応しました。
そこで出てきた言葉は、「選手たちはやるべきことをやってくれ、(プレーには)十分満足している。選手たちの頑張りには100点満点をつけてやりたい」というものでした。
悔しい逆転負けを喫し、記者たちの前では「落ち着いています」といったものの、心中穏やかではないはず。しかし、出てきた言葉は冷静で、選手たち(特に3年生)を優しくねぎらうものでした。
勝利至上主義が際立つ現代で、なかなか聞かれないコメントのように思いますが、結果にとらわれず、しっかり選手の頑張りを評価した駱HCの姿は、勝利の先にある「絶対に失ってはいけない」大切なものを示しているような気がしてなりませんでした。
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