アメリカ

アメリカ:シアトル

ハフマン・ワカバ

職業…兼業主婦(メーカー勤務)

居住都市…シアトル(アメリカワシントン州)

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友人が写真撮影した皆既日食。隠れた太陽からはみ出すプロミネンスの美しさ!(川上智子さん撮影)

友人が写真撮影した皆既日食。隠れた太陽からはみ出すプロミネンスの美しさ!(川上智子さん撮影)

 日食2日前にテネシー入りし、前日は観光などをして楽しんだものの、心の隅で気になっていたのは当日のお天気。21日朝。太陽は顔を出していますが、雲は多め。観測時に雲がかからないよう祈るばかりです。

 友人は何となく朝からそわそわ。そうですよね、日本からはるばるこの日のために重いカメラ機材を抱えてやって来たのですから。彼女のためにも晴れてほしい。そう祈りつつ朝食を取り終えると、近所に住む親戚がやって来ました。


日食観察用の箱。英語ではpinhole projectorやEclipse Cereal Box Viewerという呼び方をするようです

日食観察用の箱。英語ではpinhole projectorやEclipse Cereal Box Viewerという呼び方をするようです

 「シリアルの箱ない?」。一体、何に使うのだろうと思っていたら、箱とアルミホイルなどの簡単な材料で、日食眼鏡の代用品が作れるというのです。当日までに眼鏡が売り切れていた店も多く、この箱があれば安心です。


観察箱に投影された太陽。太陽に背を向け、ホイルに開けた穴に太陽が映り込むようずらしながら、箱の開いているところからのぞきます

観察箱に投影された太陽。太陽に背を向け、ホイルに開けた穴に太陽が映り込むようずらしながら、箱の開いているところからのぞきます

 テネシー時間の昼前から、オレゴン州で日食が始まりました。NASAチャンネルの中継を見たり、外に出て雲の様子をチェックしたりしているうちに、太陽が右端から欠け始めました。まるでまぶしい月を見ているかのようです。湖畔にある親戚の家で昼食がてら観察することになっていたので、さあ移動です。


テレビ画面に映し出されたオレゴン州の日食の様子。わくわくして来ました!

テレビ画面に映し出されたオレゴン州の日食の様子。わくわくして来ました!

 皆既日食の予定時刻は午後2時半すぎ。親戚が何人か集まってにぎやかにその時を待ちますが、「欠け」が大きくなり、辺りが薄暗くなるにつれて、セミの鳴き声や魚が水面からジャンプする音におしゃべりの声が取って代わられます。皆既日食は2分程度でしたが、一瞬誰もが沈黙し、静けさが訪れました。まさに息をのむ瞬間だったのです。

 この一瞬のために日本から渡米し、現場に来てからも機材のセッティングに余念がなかった友人。一大イベントが終わってホッとしたようでした。


観測中

観測中

 日食が終わった後には、50代以上の親戚たちがみんな、使用済み眼鏡を11歳の息子に渡していました。7年後にもまたアメリカの一部地域で日食が見られるそうですが、次確実に見られる可能性があるのは彼だけ、ということで。最後は笑いに包まれた皆既日食観察でした。


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