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スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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英国が去った後は、フランス・ドイツが先頭に立ってEUを引っ張っていくのでしょうか。(写真はスイス・ドイツ・フランス3国が交わる三国橋)

英国が去った後は、フランス・ドイツが先頭に立ってEUを引っ張っていくのでしょうか。(写真はスイス・ドイツ・フランス3国が交わる三国橋)

6月23日にあった、英国のEU(欧州連合)脱退か残留かを決める国民投票で、英国が脱退を決めたことで世界は(私の周りもですが)毎日パニック状態になっていますね……。

 今日明日にこれまでの生活が変化するわけではありませんが、輸出業関係、金融関係、英国でビジネスを展開する外資系企業は、もう今から(というか投票前から)将来のことを色々予測しながらの日々となるのかもしれません。

 先日テレビでBBCの番組を見ていたら、今回の投票結果に関して街頭インタビューの様子が映っていました。
「英国は大きくてチカラのある国なので、EUになんかいなくても、自分たちでやっていけると思うよ」という40代ぐらいの男性、「若い世代の子たちと私たちの考えはかなり違うようね。私たちの国は第一次世界大戦から苦労して大国を築き上げてきたの。だから私たち英国人の手で国を守っていかなくては」と微笑みながら70代ぐらいの女性のコメント等が紹介されていました。

 そもそも英国は欧州連合に所属はしておりながら、ユーロではなく自国通貨の英国ポンドを保っていますし、他の欧州の国々とは一線を引いているような態度を取っているようにも見えたので(入国審査もシェンゲン加盟国ではないので厳しいですし)、さもありなんだったのかな、という気もします。島国という地理的なことからも、他のEU圏とは離れており、ヨーロッパ大陸とは違って、外国人の行き来に抵抗がある人が多いのかもしれません。
 
 現在最も人々の関心となっていることは、関税は今後どうなるのか、労働力・人々の移動の自由からどう移民規制されるのか、などがありますが「Leave(脱退)」に投票した人たちの中では、“EUに所属していなくても、ノルウェーとかスイスはちゃんとEUと貿易も移民規制もしているではないか”という声があります。確かにそうなのですが、スイスを例に挙げれば、スイスはEUに加盟していたことはなく、その代わり長い年月、時間をかけて貿易のことや移民関係の取り決めを忍耐強く交渉しながら、EU圏の国々と協定を結んできています。英国は自主的にEU脱退、2年以内にこういった数々の課題を話し合って決定していかなければならないので、一筋縄ではいかなさそうです。

 さらに移民規制に関しては、将来的にスイスはEU圏からの移住も人数を制限したい意向を持っています。現在もEU圏出身者ですらスイスに在住・労働する場合は滞在・労働許可証を取得しなければなりません。求職で短期滞在許可を得るにも、十分自活できるだけの経済力がないとなかなか許可証が発行されないのだとか。
多分英国が目指す移民規制もこういうことなのでしょうか。
オーストラリアのようにポイント制で、英国に経済貢献ができるスキルを持った移民はOK!というシステムが良い、と考えている人も多いそうです。

 EU圏の国々に囲まれている“非EU圏”スイスに住まう身として、今後英国がEUがヨーロッパがどう動いていくのか、日本はどう影響されていくのかをしっかり見守っていこうと思います。






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