ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ポーヴィーリョ・アゼードを使用したポン・デ・ケイジョ

ポーヴィーリョ・アゼードを使用したポン・デ・ケイジョ

 日本の味噌やしょう油のように、ブラジルのどこでも販売されている発酵食品といえばポーヴィーリョ・アゼードです。

 ポーヴィーリョ・アゼードはキャッサバ(ブラジル語でマンジオカ)から採れるデンプンの粉です。そして、この粉から作られる料理といえば、ブラジルを代表するもちもち感でおなじみの軽食ポン・デ・ケイジョなどがあります。

 ポーヴィーリョは一般にアゼードとドーセの二種類が販売されていて、味の違い以外、料理好きの人でもなければこの二種類の違いをはっきり知らないケースもあります。
 
 一言でいえば、ポーヴィーリョ・ドーセはキャッサバのしぼり汁をそのまま乾燥させたもの、ポーヴィーリョ・アゼードはしぼり汁を発酵させてから乾燥させたものです。


ポーヴィーリョ・アゼード(左)とポーヴィーリョ・ドーセ(右)

ポーヴィーリョ・アゼード(左)とポーヴィーリョ・ドーセ(右)

 過去にポン・デ・ケイジョを作るのにポーヴィーリョ・アゼードを使用するレシピで作ったところ、もう部屋中がチーズをさらに腐らせたような異臭で充満しました。確かにチーズも入れていますが、まさにその原因は発酵させたデンプンであるポーヴィーリョ・アゼードのにおいそのものでした。

 チーズを加えるからポン・デ・ケイジョ(チーズパン)といわれるのかもしれませんが、チーズを入れなくてもチーズらしき発酵食品の香りを放つのがポーヴィーリョ・アゼードです。

 ポーヴィーリョを使った代表的な料理はポン・デ・ケイジョ以外にもビスケットやタピオカなど様々にあり、料理によってアゼードとドーセを使い分けたり、2種類を適当に配合して使用されています。ドーセ(甘い)、アゼード(酸い)と名付けられている通り味も違うのですが、匂いを除けば、発酵食品のうまさを料理でも発揮するのはアゼードといわれています。

 ポーヴィーリョ・アゼードはまさにブラジルを代表するインディオ(先住民)伝来の発酵食品です。


フェイラで販売されるポーヴィーリョ・アゼードの原料であるマンジオカ(キャッサバ)

フェイラで販売されるポーヴィーリョ・アゼードの原料であるマンジオカ(キャッサバ)


ポーヴィーリョから作られるタピオカ(チーズが挟まれている)

ポーヴィーリョから作られるタピオカ(チーズが挟まれている)


ポーヴィーリョを使ったビスケット

ポーヴィーリョを使ったビスケット


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