ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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『サンパウロ市立公園で文学への誘い』で、籠の中に置かれた本。華道の雑誌も置かれている

『サンパウロ市立公園で文学への誘い』で、籠の中に置かれた本。華道の雑誌も置かれている

 自宅やオフィスにたまった古本の処分はブラジルでも悩みの種です。

 古本屋はサンパウロ市内にもありますが、どこにでもあるわけではありません。売りに出したとしても、それほど高い値段で引き取ってくれないこともあります。

 そんな古本を有効活用する試みが、サンパウロの一部の市立公園で実施されています。企画のタイトルは『サンパウロ市立公園で文学への誘い』というものです。

 以前から「ブラジル人は一般に本を読まない」と言われてきましたが、近年は教育現場でも幼稚園から読書をすることが啓蒙されています。


『サンパウロ市立公園で文学への誘い』で、本を手に取って立ち読みする通りすがりの男性

『サンパウロ市立公園で文学への誘い』で、本を手に取って立ち読みする通りすがりの男性

 この企画では、市立公園の片隅にカゴが置かれ、古くなった本や雑誌が置かれています。

 カゴには次のような説明書きが添えられています。
・本を選んで自由に読んで…
・自宅に持ち帰っても構いません。ただ、自宅に持ち帰った場合は次の人が読めるように返却を忘れないで…
・別の本を持って来て…
・読書に参加して…

 通りすがりの人がカゴから本を取って立ち読みしたり、公園のベンチで座って読んでいるような風景を時々見かけます。


『サンパウロ市立公園で文学への誘い』でゴミ箱や台の上に置かれたカゴの中の本

『サンパウロ市立公園で文学への誘い』でゴミ箱や台の上に置かれたカゴの中の本

 サンパウロ市には日本人移民の方が多く暮らして来ました。今は日本語を読める世代が高齢となり、本の処分に悩むこともあるかもしれません。

 日本語の書籍はサンパウロの日系団体が古本市も実施していますが、わざわざ参加するのが面倒くさいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 先日はカゴの中にどっさりと華道(池坊)の月刊誌が置かれていました。ブラジルの市立公園なのに日本語の書籍が置かれているというのも、今はまだ日本語を読める人が確かに暮らしているサンパウロならではの風景です。

 




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