台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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3位決定戦前の様子

3位決定戦前の様子

 前日の試合で1点差で敗れた台北市立第一女子高級中學(通称:北一女、ベイイーニュィ)は、3月3日の3位決定戦にまわりました。相手は準決勝リーグ初戦で敗れた金甌女中(ジンオウニュィジョン、正式名称は私立金甌女子高級中學)。

 試合前、ウォーミングアップ前に上の写真のように輪になりました。そこで、キャプテンの朱倖伽(ジュー・シンジャー)が、笑顔で「ここにいるみんなとプレーできて楽しい」と声をかけ、チーム全体の雰囲気を和らげました。

 「勝たないと」という気負いも、前日1点差で負けた悲壮感も消えていきました。
 


3位決定戦の様子

3位決定戦の様子

 試合は、準決勝リーグの試合とは違う展開になり、終始リードを保ち、前半終了時で35-29。
 いい形で後半戦に臨める状況を作りました。


 ところが、ハーフタイムにちょっとした異変が起こります。


第3Q開始直前の様子

第3Q開始直前の様子

 控え室からコートに戻ってきた選手の中で、林心茹(リン・シンルー、上の写真で顔を覆っている選手)が泣いていて、目頭をずっと押さえていました。

 準決勝リーグで救世主的存在になり、また、可愛らしい外見から一気に注目される存在になった彼女。その効果は、下記URLの広告にも現れていますが、それが災いしたのか、決勝トーナメントでは絶不調に陥り、シュートが全然入らない状態になりました。

http://www.youtube.com/watch?v=PjMT9l_KMlQ&feature=youtu.be

 既にチームの命運を左右する存在になっていたので、ハーフタイム中に駱燕萍(ルオ・イェンピン)ヘッドコーチから厳しく叱責されたようですが、驚きの光景でした。


最後は団結の証である声出しの円陣

最後は団結の証である声出しの円陣

 その後は、チームメイトの激励もあり、林心茹は立ち直り、シュートも入るようになりました。また、他の選手たちも奮闘し、最後は79-58で勝利し、雪辱を果たしました。

 3位でしたが、選手たちの表情には達成感があり、喜びを上の写真のような円陣で現していました。

 


表彰式での様子、トロフィーの受け取りはキャプテンの朱倖伽

表彰式での様子、トロフィーの受け取りはキャプテンの朱倖伽

 試合後、控え室では、キャプテン交代の儀式と、3年生最後のあいさつが行なわれました。

 その間、北一女OGの記者が前日の試合の1点差負けを引きずっていて、「たった1点差なのに……」という感じで、悔しさをにじませていました。私は、「この3位は、(あの子たちにとって)優勝と同じ価値あるもの、もう十分じゃないか」と言って慰めましたが、なかなか分かってもらえませんでした。

 控え室から出てきた駱HCからは、私と同じ言葉が返ってきました。そして、駱HCは「私たちは、いつでも“ゼロからの出発”」と強調していましたが、チャンピオンリングを没収した時点で“ゼロ”からの出発ではなく、“マイナス100”ぐらいからのスタートとなっていたはずです。チームの状態もなかなか上がらず、ハラハラドキドキの苦しい試合を続けていましたが、3位まで這い上がりました。

 表彰式では、ハーフタームのダンスチームと、幾度となく苦しい試合を勝利してきた精神力を評価され、精神總錦標(ジンシェンゾンジンビャオ、筆者直訳:最優秀スピリッツ賞)を受賞しました(上の写真)。

 たった1点差で決勝進出を逃し、2連覇も達成できませんでしたが、得たものは多かったようです。3年生の選手たちの Facebookのコメントには、周囲の方々への感謝の言葉だけでなく、3年間バスケットボールを続けてきた達成感がつづらていました。


 優勝以上に大切なもの


 今年のHBLで選手たちが手に入れたものは、それだったのかもしれません。


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