台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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鼻骨を骨折した趙婉晴(ジャオ・ワンチン)

鼻骨を骨折した趙婉晴(ジャオ・ワンチン)

 試合が始まり、7分が経過したときでした。
 昨年の優勝メンバーの1人で、主力選手の趙婉晴が、突然鼻を押さえてベンチへ下がっていきました。

 近くで見ていて、鼻が曲がっていたので、骨折がすぐ分かる状態でした。試合の映像で確認したら、ジャンプして落下してくる相手選手の肘が彼女の顔に当り、その後ベンチへ下がっていったので、そのときに負傷したようです。

 その後しばらく経ってから、彼女は関係者の車で病院へ向かいましたが、チームは強豪相手に主力選手を欠いた状態で戦わないといけない、苦しい状況に追い込まれました。

 


苦しみながらも勝利!

苦しみながらも勝利!

 試合は、北一女(ベイイーニュィ、台北市立第一女子高級中學のこと)が序盤からリードし、趙婉晴が不在でも優位な立場を保ちます。

 しかし、残り57.8秒で68ー68と同点になり、追い上げられますが、残り36.7秒のところで2ポイントシュートを決め、その後の相手の猛攻をかわし、勝利しました。

 病院へ行った趙婉晴は、応急処置を施してもらい、試合終了直前にベンチへ帰ってきましたが、負傷の状況から、後の4試合に出場が叶わないことを告げられていたのか、涙をこらえきれない状態でした。


試合終了直後に、趙婉晴を抱き寄せる駱燕萍ヘッドコーチ

試合終了直後に、趙婉晴を抱き寄せる駱燕萍ヘッドコーチ

 駱燕萍HCは趙婉晴の心中を察し、試合終了後、上の写真のように優しく抱き寄せました。

 3ポイントシュートが得意な趙婉晴の負傷は、本人はもちろん、チームにとっても痛いものでしたが、その負傷がきっかけでチームに危機感が生まれ、選手たちも少しずつ変わっていきました。

 


試合中、ベンチで泣いている選手を慰めます

試合中、ベンチで泣いている選手を慰めます

 次の日の試合は、59ー65で敗れますが、最大22点差を残り5分33秒で53ー54の1点差まで追い上げる健闘を見せました。試合後も、これまでの負けた後の様子と違い、「やれるだけのことはやった」という達成感が漂っていて、悲壮感はありませんでした。

 その後の3試合も苦しい展開になりますが、上の写真のような光景も見られ、優勝した前年の雰囲気に徐々に近づいていきました。


チームの危機を救った林心茹(リン・シンルー)

チームの危機を救った林心茹(リン・シンルー)

 趙婉晴の負傷後、チームを支えたのは3年生の林心茹。過去2年、左膝のじん帯断裂のケガでHBLに出場できなかった選手です。予選のときから主力選手の1人として試合に出ていましたが、経験不足からか、ひ弱さが目立ち、昨年の優勝メンバーと比べても際立った存在ではありませんでした。

 そんな彼女が見せた成長と意地は、チームに大きな影響を与えていきました。


 次回へ続く


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