チーズ菓子を買うのに身分証明書　風変わりなPR

山本グィスラソン由佳（やまもとぐぃすらそんゆか）

職業:音楽関係
居住都市:ウメオ(スウェーデン)

	2025.11
S	M	T	W	T	F	S
						1
2	3	4	5	6	7	8
9	10	11	12	13	14	15
16	17	18	19	20	21	22
23	24	25	26	27	28	29
30

2013.12.26 up

「チーズ菓子を買うときには、有効な身分証明書を提示しましょう」

「チーズ菓子を買うときには、有効な身分証明書を提示しましょう」
こう聞くと大抵の方は、何故？と首をかしげることでしょう。

これは「チーズ菓子を買うと同時に、トリス（スクラッチくじ）もどうぞ」という、「Svenska spel」（国営ロト販売会社）による、若者にロト購入をPRするための宣伝です。

スウェーデンのロトは、法律で18歳未満に販売することが禁止されています。そのため、25歳未満の人が購入する場合は身分証明書を提示することになっています。

「スクラッチも18歳になるまで、こするのを待ちましょう」スウェーデンのロトは、番号を選ぶ方式、サッカーくじ、競輪、スクラッチ式などがありますが、以前は年齢制限のなかったスクラッチも2010年から18歳未満への販売は禁止となりました。

これは「18歳未満にはロトを売りません、身分証明を」と法律厳守を強調する良い意味でのPRのようにも捉えられますが、成人のギャンブル依存症も国民的な問題になっている今日、「身分証明書持参でゴー」などの宣伝がすすむと、よりギャンブル依存症になりやすい比較的若年層の問題を助長するのでは…とも思えます。

過去の記事：http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2011316231321

「ズボン下を買うときには、有効な身分証明書を提示しましょう」最初のPRと主旨は同様です。その他「みかん」「のど飴」などのバージョンもあります。

しかし、何と言ってもクリスマスプレゼントの買い出しシーズン、プレゼントに添えてあげたり、仲間に1枚ずつ配ったりなど、こするだけの手軽さでも相変わらず人気のあるのが「スクラッチくじ」ですが、クリスマスプレゼントのPRは、ロトの業界も負けていられないようです。

仲間で盛り上がりながらプレゼントのスクラッチを削ることで、「依存する」のではなく「適度に秩序良く楽しむ」ことを再認識するきっかけになれば良いのかもしれませんね。