
L 4ブロック内野席からの眺め
台北ドームが開業してから1年以上が経過しました。
野球での使用は昨年の巨人と今年の日本ハムの親善試合、昨年のプレミア12の予選といった国際試合のほか、プロ野球でも使用されています、昨年は公式戦38試合でしたが、今年は52試合に増加し、野球の試合では欠かせない会場の一つとなっています。
野球以外では昨年4月にバスケットボールの試合、同5月にはワールドマスターゲームズの開会式と閉会式の会場、同12月からはコンサートでの使用も解禁になり、今月下旬から7月中旬までの週末の7日間に人気アーティストの五月天(メイデイ)がライブを開催することで、話題を作っています。
昨年に続き、今年も行ってみて、やっぱり気になることがあったので、それについて触れていきます。

場内の大型カーテン
以前はバックスクリーン後方とレフト側外野2階席後方だけに設けられていた大型の黒いカーテンが、コンコースからグラウンドが見えるところ全部に設置されました。
昨年、コンコースで記念撮影をしようと立ち止まる人が目立ち、移動の際には内野に近いところで詰まることがしばしばあったので、それを防いで人の流れを促すのが狙いだと思いますが、何もそこまでして目隠ししなくてもいいのに…と思いました。
また、大きな火事が発生した場合、場内を覆うカーテンに引火したらどうやって避難するのだろうと不安になりました。燃えにくい素材を使ったカーテンなのかもしれませんが、燃えているところを見たら来場者がどのような反応をするのかをあまり考えてないように見えました。
防災システムがどのくらい機能するのかも気になりました。後付けのカーテンに対して整えているとは思えず、備え付けの消火器で対応すれば良いという考え方なら、現場でむだに混乱して取り返しがつかないことが起きるのでないかと思わずにいられませんでした。
【参考】
・東京ドームの点検の様子
https://x.com/tokyodome1988_/status/1781175599954100614

外野2階席より
また、カーテンが客席を覆うことで、避難する際に、カーテンを閉じてから出ないと避難口に行けなくなったので、避難の際に大きな障壁になるように感じました。カーテン自体も重く、めくるのにも少し力が必要で、力が弱い子供などには邪魔になりそうな感じもしました。
一方で、カーテンの障壁がなく避難できそうなのが外野2階席。最後列の席の後方にある通路までカーテンがなく、そのまま非常口に駆け込めるので、それだけでも違うように感じました。欠点は、最後列の席までの傾斜が急なこと。脚を痛めている人には、それだけでネックになるような構造と避難経路の設定(試合開始前の説明で、前出の経路が紹介されます)が気になりました。
2階席前方は、1階席に降りる階段を使って避難できなくもないですが、1階席の観客とぶつかりながら移動することが予想されます。そう考えると、根本的な構造的に問題があったのでは…とも思わずにいられませんでした。

先日1軍デビューした孫易磊選手のボード
以前も触れましたが、地下2階は、グラウンドレベル、コンサートではアリーナレベルの入口があるところでもあると同時に、MRT國父紀念館駅から地下通路でつながっています。地下の通路には遠雄ガーデンシティという飲食店街のような施設が入り、マクドナルドなどの飲食店が複数入っています。
ファイターズの親善試合では、地下2階の入口につながる広場も活用して、盛り上げていましたが、飲食店街で火災が起き、引火してきたらどうなるのだろうかと思わずにはいられませんでした。逃げるにしても、地下から地上へ逃げないといけないので、面倒な構造になっている中、何らかの対策が立てられているのか気になりました。

台北ドームとつながっているM R T國父紀念館駅の入口
台北ドームで地震や火事が発生した場合、一番大きな影響を受けそうなのがMRT國父紀念館駅。写真の入口は、台北ドームの一部入口とつながっていて、そこからなら1分程度で到着できるところにありますが、イベント開催中で多くの来場者がいるときに、避難のため一番近い入口を解放した場合、多くの人がここへ流れ込んでくることが予想されます。
コンサートなどの大型イベントでは、成果を上げてきた台北MRTの誘導スタッフですが、パニックになっている災害避難者を誘導してさばくのはさすがに厳しいように感じます。また避難者で駅がパンクしてしまうのではないかとも心配になります。
台北ドームの使用頻度が上がり、来場者が増え、活気が出るのはいいことだと思いますが、本当の意味で安全安心な環境をどう来場者に提供していくかは、しっかり考えていかなければならない課題だと思います。
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