オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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 少子化を語るとき、オランダという国は、日本の九州ほどしか面積がない小国のため、基本的に比較にはならないかもしれません。しかし、少子化の傾向は日々の生活の中で、実際に感じることはできます。例えば、「ミレニアム世代」と呼ばれ、オランダの景気が良かった1990年代後半から2000年前半にかけては、一種のベビーブームが起きたのですが、2007、08年のリーマンショック以来の不景気が長引き、出生率が下がり、それが今の小子化につながっているといえる事実もあります。


遊び場も減っているとは…

遊び場も減っているとは…

 今から10年ほど前までは、どこもかしこもベビーカーを押して歩く親たちであふれ返っていた、キャンピング場やテーマ・パークが次々と閉鎖の憂き目に遭っています。子どもの誕生日パーティを派手にするのがオランダのしきたりでもあり、それに乗じてデラックスな誕生日を提供する遊園地やプレー・ルームなどもたくさんありましたが、その多くがこれまた閉鎖。


 不況のあおりを受けて出生率が下がっている影響は、保育園にも及びました。景気が良いときは、隣近所に2、3つあった保育園は、いつの間にか閉鎖。以前なら、どの保育園に子どもを通わせるかを選択できたのですが、この5、6年の間に選択はおろか、人口1万5000人の町に2つくらいになってしまい、入園させるのも一苦労という状況です。


少子化の影響で子どもが遊べる公園の数も減少

少子化の影響で子どもが遊べる公園の数も減少

 また、子どものための読み聞かせや、読書の楽しみを教えるための図書館のイベントなど、アカデミックな催し物も、開催されることはほぼ皆無となってしまいました。これは将来の子どもたちにとって、非常に残念なことだと思います。確かに、子どもの出生率は低くなっていますが、子どもは生まれてきているのですから、こういったイベントは継続してもらいたいものです。


 ちなみにオランダでは、成人(18歳)になるまでの教育費(教科書代や月謝)は基本的に無料です。しかし、政府からの教育補助金も減少しており、それが原因で、学資ならぬ「PC維持費」や「楽器使用費」など、いろいろな名目で親に費用を負担してもらうため、学校も苦肉の策を練っている、といったところのようです。


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