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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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女子準決勝の中國文化大學(以下、文化)VS世新大學(以下、世新)

女子準決勝の中國文化大學(以下、文化)VS世新大學(以下、世新)

 ここまで、試合以外の部分を紹介してきましたが、ここからは試合のことを中心に紹介していきます。

 女子は、文化が4季51連勝中で、どこが止めるかが焦点でした。

 準決勝で対戦した世新は、序盤でリードしたものの、ユニバーシアード代表を多数抱え、経験豊富な文化がすぐに逆転します。その後、世新は途中3点差まで追い詰めますが、80ー60で文化が24度目の決勝進出を決めました。


女子準決勝の台北市立大學(以下、北市大)VS佛光大學(以下、佛光)

女子準決勝の台北市立大學(以下、北市大)VS佛光大學(以下、佛光)

 もう一つの準決勝は、北市大が66ー64で佛光に勝利し、2年連続の決勝進出を決めました。

 翌日行われた3位決定戦は、世新が71ー62で佛光を破り、初めて3位になりました。


決勝戦の一こま

決勝戦の一こま

 決勝は、2年連続の文化VS北市大。序盤から文化がリードする展開で、84ー55で勝利し、4季にわたる連勝記録も53に伸ばし、4連覇を達成しました。

 


ガッツポーズを決める北市大の錢薇娟(チエン・ウェイジュエン)ヘッドコーチ(以下、HC)

ガッツポーズを決める北市大の錢薇娟(チエン・ウェイジュエン)ヘッドコーチ(以下、HC)

 試合中、北市大の錢薇娟HCが上の写真のようなガッツポーズを決めるシーンもありましたが、後半、大幅な点差がついてからはベンチに座るシーンが多くなり、早々と白旗を上げる格好になりました。


優勝決定のシーン

優勝決定のシーン

 3年ぶりにUBAの女子の試合を見て、気になったことがあります。文化が独走状態で優勝を決めましたが、他のチームに勝てない要素がなかったかというと、違うように思います。

 文化には柱になるセンターの選手がおらず、オフェンス、ディフェンス問わず、リバウンドが思うように取れていないように見えました。準決勝で3点差まで迫った世新は、そこをうまく突いていたのですが、アウトサイドから続けてシュートをねじ込められ、突き放されてしまいました。

 文化の登録選手は他のチームよりも少ない10人。1人でも4ファールになったり、けがをしただけで苦しい状況に陥る可能性がありますが、試合を見ていると、その管理は徹底されている感じでした。それに加え、選手一人一人の基本的技術が安定していて、大きく崩れることなく、終始落ち着いた状態で試合に臨めていて、ベンチの鄭慧芸HCが怒鳴るような光景はほとんどありませんでした。

 一方で文化以外のチームを見ていると、「高校(HBL)からの延長」という感じで、技術的、戦術的、意識的に「大学生のバスケ」になっていない感じがしました。

 特に北市大は、錢薇娟HCが、決勝の試合中、相手のゴールが入った後のスローイン時に選手たちに「早く行け!」と険しい表情で何度もベンチから叫び、苦言を呈することが何度もありました。文化にセンターの柱になる選手がおらず、フォワードのタイプの選手が多数を占めることから、スピードプレーが勝利の鍵になると踏んで、そう指示を出していたように思いますが、錢HCの考えをしっかり理解していた選手がどのくらいいたのか、つい気になってしまいました。

 そうなると、文化の「一人勝ち」の状態が続き、1994~2003年度に達成した68連勝と10連覇の記録の更新も現実味を帯びてきたように思います。

 今後、他大学の奮起を促したいところですが、果たしてどうなるでしょうか。


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