オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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オランダでも人々の間の格差が広がってきている

オランダでも人々の間の格差が広がってきている

 日本も格差社会の問題が取りざたされていますが、オランダでもほぼ同様です。日本の九州とほぼ同様の面積しかない小国・オランダは、社会福祉制度が整っているのでは?というイメージを抱く方も多いかもしれません。そして実際に政府は、「決して国民を路頭に迷わせない!」とうたってはいますが、昨年行われた生活環境機関や統計局のリサーチで判明したのは、これまで、「誰でも平等に豊か」が叫ばれてきたオランダでも、確実に格差社会が生じているという事実でした。


 例えば、オランダ国民の寿命や就業率、そして所得率などを調査してグラフ化したところ、右上がりの好結果となりました。その上、過去は深刻だった犯罪率も減少しています。さらに、スポーツを定期的に行って健康的に過ごす人の率が増え、週末は常に外出(小旅行やショッピングなど)するという結果も出ています。


「平等」が基本的人権を守るためには不可欠とされてきたが…(画像提供:Word.nl)

「平等」が基本的人権を守るためには不可欠とされてきたが…(画像提供:Word.nl)

 過去数年間で、高学歴(オランダでは高校・専門学校卒業以上を指す)の人、健康を維持している人の二つのカテゴリ以外の人たちは、貧困から抜け出せない状態にあることが判明しています。約30年前は、これほどの格差は生じていなかったという報告結果が得られているそうで、その証拠として貧困から抜け出せない人たちは、生活の満足度が非常に低いという統計結果が出ているそうです。


 しかし、貧困から抜け出せない人たち、というのは日本とは比較にはならないかもしれません。オランダの場合、この点は社会福祉制度が発達しているためか、自ら招いた失敗(例えばドラッグ問題など)でホームレスとなってしまった人たちにも生活するのに必要な最低限の支給金が配布されるほど寛容です。この寛容さが、かえってあだになっている、と怒る国民も多いようですが、弱い者を徹底的に救済するというキリスト教の精神にのっとっている、といえば否定することはできないのかもしれません。


 格差社会は悲しいかなどこにでも存在すると思いますが、世界中でその傾向が高まっていることに対し、各国の政府は何か解決策を提案しないといけないかもしれないと思います。


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