ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 サンパウロ市に住む筆者は、自宅で毎朝コーヒー作りを楽しんでいる。味も魅力の一つだが、カップを傾けるときのあの独特の香りがたまらない。しかし、コーヒーは飲料としてだけでなく、こした後のかすが日常生活で役立つという。さて、何に効果があるのか。


 サンパウロ市内のコーヒースタンドチェーン店では、一度だけお湯を通した後のかすを大きな容器に集めている。店員に「全部捨てるのか」と尋ねたら、「消臭剤として利用できるから溜めておく。閉店後の床清掃にも使う」と返って来た。また、女性店員の説明によると、「一度だけこした物を平たい器に広げて天日に干す。乾燥したら薄い布切れに包む。トイレや台所に吊り下げると消臭効果がある」という。


 消臭剤になるとは知らなかった。早速、やってみた。
 よく乾かしたかすを廃棄寸前の平たい食品プラスチックパック2個に広げ、狭い書斎の隅に置いた。翌日、締め切った部屋のドアを開くと「香秘」と形容したいような香りが満ちていた。粉末が湿気で固まったら、1~2日に1回、指でつぶしてかき混ぜると再び匂いが広がる。それを繰り返すと、あの独特の芳香は半月間ほど続いた。また、ガーゼに包み、靴磨きや料理後の鍋物洗いに使えば油などの汚れが落ちやすいとか。
 一度、お試しになってみては…。


 ブラジルは世界一のコーヒー生産国。約27,000平方キロ?(鹿児島県を除いた九州の面積)の農地に60億本の木が植えられている。消費量も米国に次ぎ2位で、国民は何かにつけてよく飲む。家庭ではドリップ式が多いが、専門店で売るのはほとんどエスプレッソだ。


 日本には「もったいない」という言葉がある。辞書を引くと、「まだ役に立つ人やモノが、粗末に扱われて惜しい」の深い意味が含まれている。コーヒーの話題を機に、今一度この言葉をかみしめたい。


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タグ:サンパウロ

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