ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ブラジルでも日本人家庭で食べられるお雑煮

ブラジルでも日本人家庭で食べられるお雑煮

 日本とは四季が正反対のブラジルで、お正月がどんなに暑くても、何となく時節がら食べたくなるのがお雑煮です。

 お雑煮はお雑煮でも、18歳まで育った兵庫県の実家でいつも食べていたのは、お正月用に特別に購入する「京の甘い白みそ」を使ったお雑煮でした。18歳で実家を出て、初めて郷里を離れた長野県で過ごしたお正月のお雑煮はショックでした。

 それまでお雑煮とは「京の甘い白みそ」が入ったものだと思い込んでいました。信州みそで有名な長野にもかかわらず、一般的だったお澄ましに餅が入ったお雑煮は、食べても食べた気がせず、とても寂しい気持ちになりました。当時、どうしてもお澄ましのお雑煮が信じられず、「お雑煮は白みそだよね?」と何度も周囲に質問しましたが、結局、関西で同郷出身の友人しか同意を得られず、しばらくは信じられない気持ちでした。


近年、大みそかの日に東洋人街で開催される餅つき大会と合わせて振る舞われるお雑煮

近年、大みそかの日に東洋人街で開催される餅つき大会と合わせて振る舞われるお雑煮

 その後、ブラジルに来てから毎年のようにお正月を迎え、とりあえずブラジルでもお餅やお雑煮が食べられることが衝撃でした。

 それでも日系団体や関西以外の出身の方のご自宅でいただいてきたお雑煮は皆おすましです。ブラジルに暮らして16年がたち、今ではおすましのお雑煮にも慣れ、何はともあれブラジルでも毎年お雑煮がいただけることが感謝以外の何物でもありません。


日系団体で催される餅つき大会の一こま

日系団体で催される餅つき大会の一こま

 それでもやっぱり懐かしいのは「京の甘い白みそ」のお雑煮。具は基本的に大根、ニンジン、里芋といった根菜類で、「京」の甘い白みそ以外はサンパウロでなら簡単に手に入ります。とりあえず、ブラジル製の白みそに砂糖を加えて甘くしたみそ汁を作り、お餅を入れて出来上がり。でもやはり、独特な甘さといい、滑らかな口当たりといい、日本で食べられる「京の甘い白みそ」には全くかないません。

 今では日本全国でも「京の白い甘みそ」を使ったお雑煮は、関西圏の文化だったのだと納得できます。しかし、お正月にはやはり郷里で子どもの頃に慣れ親しんだお雑煮が食べたいものです。


京の甘い白みそのお雑煮をイメージし、ブラジル産の白みそを使って試しに作ってみたお雑煮

京の甘い白みそのお雑煮をイメージし、ブラジル産の白みそを使って試しに作ってみたお雑煮



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