ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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静脈瘤の痛みに効くローズマリーのオリーブオイル漬け

静脈瘤の痛みに効くローズマリーのオリーブオイル漬け

 「静脈瘤の痛みが半日で消えた!」
 「爪水虫が完治した!」
 「胃の不快症状がすっきり!」
と、こんな声を聞くと思わず反応してしまう人がいるに違いありません。しかも、それがほとんどお金をかけず、副作用も感じず効果があったとなれば知っておいて損はありません。
 
 薬局では即効性はあっても高価で、知識がないと副作用も怖いお薬が少なくありません。ブラジルではまるで駄菓子を売るような感覚でたくさんの薬が販売され、消費者も気軽に購入します。

 そんな中で現代では知る人ぞ知る、忘れられつつあるようなおばあちゃんの知恵とも言うべくハーブやスパイスを使用した民間療法も伝わり続けているのは貴重なことです。


家庭菜園されたローズマリーやバジル、ミントなど

家庭菜園されたローズマリーやバジル、ミントなど

 西洋料理でおなじみのハーブやスパイスはブラジルでもごく一般的です。スーパーやフェイラ(朝市)で市販されている他に、民家に少しでもスペースがあれば数種類のハーブを栽培している人も少なくありません。

 亜熱帯と区分されるサンパウロですが標高約800メートルのため、ハーブが育つのには比較的適した環境です。

 そんなサンパウロでよく家庭菜園されているハーブと言えば、バジル、ミント、パセリ、コリアンダー、レモングラス、ボルド・ド・チリ、ローズマリーといったところです。

 もちろん料理やお茶に使用されるためでもありますが、いざという時には素晴らしい薬に早変わりするのがボルド・ド・チリやローズマリーです。


民家の庭で植えられている事も珍しくないボルド・ド・チリ

民家の庭で植えられている事も珍しくないボルド・ド・チリ

 ボルド・ド・チリは市販のお茶でも一般的ですが、胃の調子が悪い時に効果があるという事でブラジルでは誰もが知っており、実際に煎じて飲んでいる人も珍しくありません。

 ローズマリーは料理に使うイメージが先行しそうですが、密かに鎮痛効果があり、ブラジルで日本人の妊婦さんが静脈瘤で薬も飲めず痛みで苦しんでいたところ、ブラジル人にオリーブオイルにローズマリーの葉をつけ込んだものを塗布すればよいと教わり実践したところ、半日後には痛みが嘘みたいに消えたという事です。

 他にも知らないだけで素晴らしい薬に激変するハーブやスパイスがあるかと思います。


フェイラ(朝市)で販売されるクラ―ボ・デ・インジオ(丁子;クローヴ)

フェイラ(朝市)で販売されるクラ―ボ・デ・インジオ(丁子;クローヴ)

 お菓子の風味や色どりに使われるクラ―ボ・デ・インジオ(丁子;クローヴ)も殺菌殺虫効果があることで一般によく知られています。

 特にクローヴをアルコール(時にオイル加える)でつけ込んだものは蚊よけになったり、なかなか治りにくい事で知られる爪水虫まで治ってしまった経験があります。

 ハーブやスパイスは効能と使い方を知っていれば、食べても塗布しても、費用も安く万能薬になる事を、ブラジルでは今も密かに庶民の間で実践的に伝わり続けています。その背景にはよい医療機関は費用が異常に高く、広大な土地のブラジルではよい医療機関がないところも多く、伝統医療の方が効果を発揮する場合がある事などが考えられます。


花屋さんの前で販売されるローズマリーの苗

花屋さんの前で販売されるローズマリーの苗


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