オランダ

オランダ:ハーレム

倉田 直子(くらた なおこ)

職業…ライター
居住都市…ハーレム(オランダ)

前の月へ

2025.11

次の月へ
S M T W T F S
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30       

先日、オランダの隣国ベルギーに観光に行ってきました。
基本的にはブリュッセルに滞在したのですが、日帰りでブルージュ(Bruges)という街にも足を延ばしてみました。
ブリュッセルはフランス語圏で「小さなパリ」という雰囲気ですが、そこから車で一時間以内のブルージュはフラマン語(オランダ語の親戚)圏内になり、雰囲気もぐっとオランダに近づいていました。同じ国内でも言語や雰囲気が変わるというのは、なかなか日本人には不思議な感覚ですね。

そんなベルギー旅行、特にimaで旅行記をかくつもりはありませんでした。
でもブルージュで立ち寄ったパブレストランがとても変わったところだと帰宅してから知ったので、ぜひご紹介したいと思います。


ランチの場所を探していて、何気なく入ったこのお店。
実はビール醸造所も併設していて(というよりも本来はそちらがオリジナル)、ビールが美味しくいただける「De Halve Maan」というレストランです。

「De Halve Maan」
http://www.halvemaan.be/
※フラマン語(オランダ語)で「半月」という意味。


名前が表す通り、お店のロゴはお月様マーク。


お店の壁面には、高い天井まで届くほどビールがきっしりと詰まっています。

でも私がこのお店を紹介したいと思ったのは、別に内装のことではありません。
なんとこのお店、石油ならぬ「ビールのパイプライン」を作ってしまったことで昨今話題になっているのだとか。

お店のオーナーであるザビエル・ヴァネステ(Xavier Vanneste)さんはある日、自宅前で行われている電気工事を見て「ビールのパイプラインも地下に埋められないかな」と思いついたのだそう。
古い石畳に覆われた狭い道が多いブルージュでは、大型トラックは厄介者。
街の中心にある醸造所から、3km先の産業地区にある瓶詰め工場までパイプラインでビールを運べたら、交通渋滞解消にも役立って良いことだらけではないかと考え付いたのです。

そうなるとザビエルさんのアイディアは止まらず、パイプライン敷設にかかる400万ユーロ(約4億9000万円)の一部を住民に出資してもらう案まで思いつきます。
見返りは一生分のビール(出資額によってもらえる量は変動)。
ビール愛好家たちから集まった資金は実に30万ユーロにのぼったのだとか。
ただし残念ながら、自宅にビールのパイプラインを引いたりはしてくれないそうですが。

4年をかけたこのプロジェクト、2016年5月の段階で「あと数週間」のところまで漕ぎついたそうです。
言ってしまえば工場と工場をつなぐ工業パイプラインなのですが、流れているものがビールだと思うとなんだかワクワクしますね!
いつになるかわかりませんが、ぜひまたこの「De Halve Maan」を再び訪れてみたいと思います。


(「De Halve Maan」で食べたコロッケ。)

※参照記事:Brewery Builds a Pipeline, Sending Beer Lovers Into a Froth
http://www.wsj.com/articles/brewery-builds-a-pipeline-sending-beer-lovers-into-a-froth-1462371340


レポーター「倉田 直子」の最近の記事

「オランダ」の他の記事

  • 1171 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website