ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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お釣り不足で値下げしたメトロ料金の表示

お釣り不足で値下げしたメトロ料金の表示

 「今週からメトロ代が3.5レアル(約107円)に値下がりしてたんです!ジウマ大統領の職務停止の影響ですかねぇ!?」
と、喜んだのもつかの間。

 「それはね、お釣りがない時に、お釣りの渡せる料金に緊急値下げするだけなのよ。ちゃんとポルトガル語で書いてあるわよ」
 
 2か月ほど前から3.8レルに値上がりしたサンパウロのメトロ代。この15年ほどでインフレに伴い、3倍近く値上がりしました。一向に値上がりが止まらない中、3.5レアルに値下げした表示を見た時には、一瞬ブラジル経済に新たな希望を見出しそうになりました。


5、10、25センターが不足しているので、支払いの時には硬貨を使って協力してほしいというポスター

5、10、25センターが不足しているので、支払いの時には硬貨を使って協力してほしいというポスター

 確かに、3.5レアルの表示になっていたかと思えば、翌日には3.75レアルになっていたり、メトロ代の変動があるここ最近のサンパウロです。メトロ全線でというわけではなく、駅ごとの釣り銭不足の状況によって、値下げが実施されています。

今まではこのようなことは見かけませんでした。(サンパウロのメトロは距離に関わらず料金は一律です)

 切符売り場に張り出された紙には、値下げ料金について次のように記されています。
・一時的に、釣り銭不足のため
・一人につき一枚の限定販売

 既定の3.8レアルと記された料金表は、急きょ紙テープで消されています。


お釣り不足でメトロ料金が変わり、通常のメトロ料金は紙テープで消されている

お釣り不足でメトロ料金が変わり、通常のメトロ料金は紙テープで消されている

 硬貨は、5、10、25センターボが不足しているので、支払いの時には硬貨を使って協力してほしいというポスターも貼られています。

 サンパウロ市民やメトロ職員さえも、昨今のインフレには辟易で、まるで皮肉を込めた小さな抵抗とも言えそうな「釣り銭不足による緊急値下げ」で、より一層メトロの財政が心配になるようなお釣り対策措置です。



サンパウロのメトロの切符売り場

サンパウロのメトロの切符売り場


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