カナダ

カナダ:バンクーバー

西川 桂子(にしかわ けいこ)

職業…翻訳者、ライター、記者
居住都市…バンクーバー(カナダ)

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「キャビンアテンダント(CA。スチュワーデス)になるのが、小さい頃からの夢だったんです」。

もう10年以上前になるだろうか。英語をいかしてカナダで活躍している日本人の取材をしたことがある。私が取材したのは当時、エアカナダでキャビンアテンダントをしていたMさんだった。

大学卒業時に航空会社数社に応募したものの、採用には至らなかった。仕方なく、一般企業に就職。しかし、夢を諦めることができずに、3年後には退職してワーキングホリデービザで渡加。まず、日系旅行会社にツアーガイドとして就職して懸命に働き、カナダの就労ビザを取ってもらう。

「とにかく頑張って、お客様に満足してもらう。そして、会社にあの子は努力しているし、顧客の満足度も高いと認めてもらうため必死でした。」

ワーキングホリデービザでのカナダでの滞在期間は1年。本来なら1年後には日本に帰国しなければならなかったが、「カナダで就職したい」と上司に頼み込み、就労ビザを取得。

ビザを取ってくれた会社に対する「恩」もあったので、とりあえず3年間、引き続きガイドとして頑張った後、エアカナダの募集を見つける。

「英語力はもちろん英語を母国語とするカナダ人にはかないませんでした。でも、旅行会社で培ったホスピタリティ能力には自信がありましたし、面接でもアピールしました」。

テストでも、仲間との輪、そしてお客様を第一に考える姿勢が評価されたのか採用。Mさんは30歳近くになっていた。

「カナダの魅力は30歳前のいわゆる『おばさん』でも、CAになれることです」


バンクーバー国際空港で出発を待つエアカナダ機

バンクーバー国際空港で出発を待つエアカナダ機

その後も、同様の話は何度も聞いた。

最近もやはり30歳近い韓国系移民の友人が大手航空会社に就職した。Mさん同様にキャビンアテンダントを志望していたが、本国では就職することができなかったという。

「韓国でCAは若くて綺麗な人の仕事。韓国にいたときは、就職できなかったのだけど、カナダに移民してから見つけた求人広告に応募して、念願の仕事に就けました」。


CAがひげもじゃでもOKなんだとびっくりしたこともある

CAがひげもじゃでもOKなんだとびっくりしたこともある

実際に、たとえば50歳や60歳でも、採用されるのかは分からない。今のところ、その年齢で、航空会社のCAになったという人は周囲にはいない。

しかし、カナダの求人募集では何歳以上とは言えても、年齢の上限や性別による制限を設けることはできない。履歴書にも生年月日や性別を記入しない。

よく考えれば、私自身も学生時代、目標としていた仕事に、ここカナダで就くことができた。年齢以外でも、日本よりいろいろな意味で制限がゆるいのは確か。カナダで暮らすことになった日本人のみなさんには、日本ではできなかった仕事にチャレンジしてもらいたいものだ。




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