オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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オランダ人と水は、切っても切れない関係にあります。何といっても、国土のほとんどが海抜以下で、何世紀にも渡り、海水の浸水による洪水に悩まされてきた歴史もあります。オランダは、地震こそ少ないですが、水による自然災害とは常に背中合わせ。実際に、大雨が降ったりするだけで、内陸地であってもすぐに川が増水したり、大通りにできた水溜りの水はけが悪かったり、と、水が身近な『脅威』になり得ることを、生活の中で実感できます。


水をくみ出す役目を果たしてきた風車。

水をくみ出す役目を果たしてきた風車。

その半面、オランダは海の水を効果的に利用(?)して、16世紀の大航海時代は、帆船を駆って世界中を航海し、輸出入によって富を蓄え、小国ながら『大国』としての国力を備えてきた過去を持ち魔す。つまり、水(海水)に悩まされながらも、それを利用する手腕を持っていた、ということです。


オランダには政府管轄下の『水治省』があります。水治省では常に、いかにして水の権威から、人民の生活を守るかが討論され、現在、活発に行なわれているプロジェクトは、埋め立て地の効果的な利用法について検討することだそうです。


雪の中でも大活躍!木靴は、水はけのよさが自慢。

雪の中でも大活躍!木靴は、水はけのよさが自慢。

しかし、水に悩まされているといえども、水にマッチした生活を送ることに長けているのも、オランダ人の特徴かもしれません。たとえば、水はけの悪い場所を歩くために考案されたのが、民芸品の代表とされる『木靴』ですし、たくさんある水を効果的に汲みだすために『風車』が作られました。オランダ人が自分自身を自慢するときに発する言葉によくあるのが、『神は世界を作ったが、オランダはオランダ人が作った』。つまり、水の脅威に打ち勝って、国土を治めたという自負が強いのでしょう。


水を利用したレクリエーション場もたくさんある。

水を利用したレクリエーション場もたくさんある。

実際、日本の梅雨のような長雨の時期もなく、集中豪雨もありませんが、ほぼ一年中、空が暗く、小雨がぱらつく天気が続くことは確か。埋立地などでは、少しの雨でも地面が柔らかくなり、まるでスポンジの上を歩いているような感じになります。しかし、水との戦いに『勝った!』と思っているオランダ人たち、災い転じて福となせ、ではありませんが、水をいかに効果的に利用するか、次の策を練りながら、世界に向けてその技術を提供することのほうに力を入れているようです。


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  • 1 コメント

1 - Comments

いとうより:

2015 年 06 月 22 日 11:26:14

いとうです。
木靴はいまも現役で活躍していますか?オランダ国民の日常で使われていますか?
写真で見ると良さそうですが、硬くて歩きにくそうな…

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