台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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会場の様子

会場の様子

 今年も台北国際書籍展が、2月11~16日に世貿中心(シーマオジョンシン)の1号館、3号館の2会場で行われました。

 台湾の各出版社が一同に会し、日本をはじめ外国の出版関係の業者も集うイベントとして定着し、単なる書籍の割引販売の場としてだけでなく、出版ビジネスの交流の場としての機能も果たしています。


会場の書籍販売の様子。+1元は「+1元でこちらの書籍もつけますよ」の意

会場の書籍販売の様子。+1元は「+1元でこちらの書籍もつけますよ」の意

 昨年の紹介記事(下記URTL参照)で、書籍の割引販売に関するコメントがあったので、この時調べた限りの範囲ですが、以下ご報告いたします。1年遅れで大変申し訳ありませんでした。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201446233922

 台湾では、一般の書店でも書籍の割引販売が認められていますが、会場では出版社が直々に販売しているので、割引の範囲が大きいのが特徴です。
*昨年の書き込みでは、この辺りで誤解を受ける恐れがある書き込みをしてしまいました。読者の皆様にお詫び申し上げます。

 台湾で書籍の割引販売が認められる背景について、書籍展の担当の方にお話を伺ったところ、「それが消費者のニーズだから」ということでした。また、かつて台湾も日本やフランスに倣って書籍の再販価格維持制度を押し進めようとしたそうですが、消費者からの激しい反発があり、割引販売を認めている、ということでした。
 


講演の様子

講演の様子

 今回の書籍展で私が注目したのは、日本のプロ野球の観戦ガイドを中心に書籍を執筆している李承曄(リー・チェンイェ)氏の講演。李氏は台湾大学医学部博士課程卒業で、卒業後は主に日本のプロ野球に関する書籍の執筆を行なっている方です。

 今回の書籍展では、日本のプロ野球の球団やホーム球場に関する講演を行ないました。書籍展の期間中、出版社のブースで数回に渡り講演を行い、支持者が会場を訪れていました。

 現在の台湾では、スポーツ関係の書籍はますます少なくなり、書店でもコーナーの規模が10年位前と比べ小さくなり、存在感が薄くなりつつあります。実際、過去に出版関係の方にお話を伺いましたが、「(スポーツ関係の書籍は)出してもあまり売れない」そうで、会場の各ブースでもあまり(というよりほとんど)見かけませんでした。
 厳しい出版事情の下で、こうした李氏の努力は大変貴重だと言えます。

 講演終了後、李氏は次の目標として「MLBの観戦ガイド作成」と私に話してくれました。早速アメリカへ渡り、取材活動を続けているようですが、こちらはどうなるでしょうか。


こちらのビジネス雑誌のブースより

こちらのビジネス雑誌のブースより

 今年の台北国際書籍展は、18歳以下を入場無料にしたこともあってか、累計で56万人、前年の50万2千人よりも約10%増加したそうです。

 来年はどんな企画で入場者を引きつけるでしょうか。



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