台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

前の月へ

2025.11

次の月へ
S M T W T F S
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30       

初日の歓迎会の様子

初日の歓迎会の様子

 台湾の小・中・高生たちは、1月27日~2月23日まで冬休みになりました。この期間、3年生は受験勉強(注:2月1~2日は、日本でいうところのセンター試験にあたる学力測定試験がありました)に追われ、2年生と1年生は研鑽を積むために学校外の活動に参加する生徒も少なくありません。

 昨年は、弁護士事務所の基金団体が主催する高校生向けの法律セミナーの様子を紹介しましたが、今回は国立台湾大学の法学部の様子を紹介します。

 国立台湾大学は、日本統治時代の1928年に台北帝国大学として開学。現在では、台湾の大学の中で進学が一番難しい大学として知られています。理系の学部では医学部、文系の学部では法学部が最難関と言われています。

 その法学部では、毎年冬休みの時期に進学希望の高校生を対象に四泊五日の日程で法律セミナーを開催しています。
 今年は1月31日~2月4日に行なわれ、約120人が参加しました。

 初日は、参加者の緊張をほぐす歓迎セレモニーが行なわれ、メンバーの歌とダンスが披露されました。


四日目に行なわれたゲームの様子

四日目に行なわれたゲームの様子

 2日目からは本格的な法律セミナーがスタートしますが、台湾大学法学部のセミナーでは、あらかじめ分けられたグループ間の結束力を上げるだけでなく、参加者の学習の重圧を和らげるために様々なゲームを折り込んでいるのが特徴です。

 上の写真は、貨幣を交換し、他のグループとの駆け引きを行ないながらブラックマーケットで様々な武器を購入するゲームをしているところです。


学生中心で行なわれる法律セミナー

学生中心で行なわれる法律セミナー

 肝心の法律セミナーも見せていただきましたが、こちらは毎週土曜日の12:15~12:40にNHK総合で放送されている「生活笑百科」の形式で行なわれました。演技の迫力もさることながら、丁寧に説明をしていく進行役の学生の落ち着いた態度、学習能力の高さに頭が下がる思いでした。

 私自身、思わず参加者と同じ気分になり、担当の方と一緒に答えを探りながら見ていました。


現役の検察官を招いての講演

現役の検察官を招いての講演

 さすがに学生中心では限界もあるので、実際に法曹界で活躍する卒業生の方を招き、講演も行ないました。
 写真は、曾文鐘(ツェン・ウェンジョン)高等検察官が「法律と正義」というテーマで講演を行なっているところです。

 この他、弁護士事務所の見学、台北高等裁判所の見学も行なわれ、法曹界の現場に触れる機会もたくさん設けられていました。


ステージでダンスを披露する1年生スタッフ

ステージでダンスを披露する1年生スタッフ

 台湾大学法学部の法律セミナーは、2年生の有志がプログラムの管理・運営・企画を行い、1年生が参加者の接待やステージでの演技披露などの実務部分を担当しています。過去に紹介した卒業式や学園祭の準備などで、多くのメンバーを引率するなどして様々な経験を高校時代から積んでいる学生が多いからか、各部門の統率もしっかりとれているだけでなく、コミュニケーションもスムースにとれていました。
 また、単なる法律セミナーとしての役割だけでなくオープンキャンパスとしての役割も果たしているようで、運営する学生側にもその責任と自覚が出ていて、緊張感が漂っていました。


 ちなみに、参加費用は5,500元(約21,432円)。 
 法律の勉強、台湾大学の施設見学以外にも、学校外の友人を探し、外で生活することで自立心を養う意味でも、金額以上の意味があるセミナーでした。


レポーター「小川 聖市」の最近の記事

「台湾」の他の記事

  • 677 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives