オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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3月8日、オランダのドレンテ及びフローニンゲン州に姿を現したオオカミ。動物学者や自然専門家、そして教育者や警察、マスコミも、その動向を見守りました。最初は野原や、牧草地などを徘徊するのみでしたが、住宅地や工場付近にまで現れるようになり、多くの人びとがカメラやビデオにその姿をかなり至近距離で撮影できるほどまでになりました。


平野を走るオオカミ。(画像提供:AD.nl)

平野を走るオオカミ。(画像提供:AD.nl)

自然愛好家や、動物好きな人たちにとっては、非常に興味をそそられるニュースになったようです。オオカミ愛好家たちは、『オオカミに出会ったら』という指南書のようなものを作り、みだりにオオカミの行動を阻止しないよう、注意を呼びかけ続けました。


しかし、ヒツジを飼っている農家にとっては、オオカミは天敵のような存在です。また、年配の人たちの多くは、オオカミを『怖いもの』、『害獣』と思っています。この人たちにとっては、”赤ずきん”の昔話は今も健在なのかもしれません。『ウチの庭に現れたら、絶対に射殺する!』と息巻いている御年寄りがテレビにも出演し、オオカミに対する嫌悪感をあらわにしていたのには、いささか驚きました。


オオカミは一般に、自然のシンボルと考えられています。自然環境が、オオカミにとって整ったからこそ、150年ぶりに戻ってきたのだ、とほとんどのオランダ人たちが考え、歓迎しています。しかし、もしこのオオカミが長期間、住宅地をうろつくようにでもなれば、話は変わってくるでしょう。オオカミは昨年から、特別保護動物に認定されているため、むやみに捕獲したり、ましてや射殺したりすれば罰せられます。そのため、この地域に住む人たちにとっては、悲喜こもごも、といったところでしょう。


国境付近に姿を見せたオオカミ。(画像提供:Doorn.nl)

国境付近に姿を見せたオオカミ。(画像提供:Doorn.nl)

今後は、どうなるのか。オランダ中の話題をさらったオオカミですが、3月11日、オランダとドイツの国境で姿を見せたのを最後に、消息を絶ちました。また、戻ってくるのか。それとも、オランダ見物をして(?)古巣へ帰って行ったのか。いずれにしても、野生のオオカミが150年ぶりに姿を現したことに湧いた、オランダでした。


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