メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 年越し蕎麦におせち料理、おもちの入ったお雑煮。
 が、日本の年越し~新年のメニューですね。
 新年三が日くらいは台所の火を落として、料理に日々忙しいお母さんたちを休ませてあげよう、という日本の風習。いいですね。私は紅白なますが大好きです。

 さて、メキシコ。
 一年で一番のお祝い事はクリスマスで、新年というのは意外にもさらっと済ませます。
 仕事も大半の人が31日の午後と元日のみが休みとなるので、とくに目立って大掃除もしませんし、「年末大セール」というのもありません。
 ですが、市場を覗いてみると山盛り大盛況で売られている物があります。
 それは。。。
 肉、と、葉付きの小タマネギ。
 トラック一杯の小タマネギだってあっという間に売れて行きます。

 これは、メキシコ人の「年末年始ディナー」に使われるため。

 


深夜近くからおもむろに。右が今夜の奉行。

深夜近くからおもむろに。右が今夜の奉行。

 除夜の鐘でこたつに入って静かにそばをすする、なんてことはありません。
 年が変わる頃には外でバンバン花火がなり、毎年恒例「12粒のブドウを12のお願いごとを考えながら12秒で食べる」年越しイベントを行い、家族一人一人とハグをして新年を祝います。

 その前から、家族の男性たちが外で火を焚き、料理を準備します。
 メキシコの伝統、とまではいきませんが5割以上の家庭(ざっと見で)が、「焼肉」を年越しに食べるのです。
 門の内側、駐車スペースだったり、家の前の道路だったり、中庭だったりと場所はそれぞれですが、各家庭に(ほぼ)かならずある焼肉用コンロが出動となります。
 ドラム缶を半切りにして脚をつけた簡易だけれど丈夫なものから、一流アウトドアメーカーのものまでさまざま。

 焼く物は、「肉、肉、ソーセージ、肉、タマネギ、ケサディージャ」の割合。小さい子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、肉を「搔っ食らい」ます。もう、フォークとナイフなんて使ってられない。身内のテーブルだもの、指でいいじゃない!と。

 


元日も午後から夕べの続き。左が元日午後の奉行。

元日も午後から夕べの続き。左が元日午後の奉行。

 いつも私が出入り(入り浸り?)しているこちらの家族の今年の参加者は総勢16人。
 大晦日の夜に始まった焼肉年越しパーティは午前3時頃まで続き、翌元日の午後もまたわらわらとみんなで集まって「残り物温める日」ということでまたいつの間にか火が焚かれ、焼肉の続き。

 用意したトルティージャは5キロ、肉4キロ、ソーセージ類2キロ、小タマネギ1.5キロ、チーズ1キロ。(ケーキ3種類、サラダ3種類)

 ぺろっとなくなりました。

 ちなみにこの「焼肉」ですが、ちゃんと「奉行」がいて、家族の中の男性が仕切ります。洗い物もこの日ばかりは各自が自分で洗います。なので女性は、簡単な付け合わせのサラダやサルサを作るだけで、男子諸君が「何が食べたい?」とテーブルまで注文を取りに、またお皿を運んできてくれる訳です。
 正月に女性をキッチンに立たせない、というあたり、日本の習慣に似ているようにも思えますね。

 ごちそうさまでした。




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