ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 サンパウロ市は猛暑の年末を迎えている。街路や商店にサンタクロースの人形やクリスマスツリー、イルミネーションが目立つ。眺めると、年の瀬が近づいたのを感じないではいられない。その派手な光景に反して、歳末の買い物客の動きは昨年よりも鈍いようだ。


 12日、市中心部にあるイビラプエラ公園へ行った。公園内の車道のすぐ横にクリスマスツリーがそびえる。見上げながら警備員に話し掛けたら、「昨年は高さが50メートルだったが、今年は35メートルと低い。不景気のせいでしょう」と、言葉に力がない。
 繁華街はどうか。パウリスタ大通りに今年出来た『都市ショッピングセンター』を訪れた。1階吹き抜けに建つ水色電飾の大ツリーの前で親子そろって写真を撮る人が多い一方、高級衣料品の店内に客はまばら。しかし、チョコレート専門店や4階の食堂街はにぎやかだった。


「都市ショッピングセンター」の1階吹き抜けにそびえるクリスマスツリー

「都市ショッピングセンター」の1階吹き抜けにそびえるクリスマスツリー

 国民の大半がカトリック信者のブラジル。25日は国民の休日で、イブの24日には家族がそろって夕食を共にした後、プレゼントを交換し合う。景気の良し悪しが贈り物の内容に影響し、庶民は財布のひもを締めそうだ。


 今、ブラジルは不況の真っただ中。年間の経済成長率はー3,5%、インフレ10%強、失業者数100万人を突破。自動車販売台数は急落し、約250万台(14年は350万台)の予想で近年最悪の状態だ。13日の大統領罷免デモでは「国民の7万6千人が参加」(有力紙報道)している。


 とはいえ、来年から少しずつ景気回復への兆しが出そう。8月には南米初のリオ五輪夏季大会。市民の関心も徐々に高まってきた。ブラジル人は何事も追い込みに入らないと燃えない。昨年6~7月開催のW杯も盛り上がり始めたのは年初だった。
 16年が景気回復の年になるよう願いたい。十勝の皆さん、良いお年を。


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