台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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机の上にあった六法全書

机の上にあった六法全書

 以前、下記URLにて高校生向けの法律セミナーを紹介しました。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2014223151234

 台湾の小学、中学、高校では7月1日~8月31日まで夏休みでしたが、7月8~11日、8月19~22日と2回に分けて法律セミナーが行なわれました。
 


セミナー開始時の様子

セミナー開始時の様子

 約半年ぶりに会場へお邪魔し、担当の方へお話を伺ったところ、過去9回のセミナーの成果は着実に出ているようです。
 以前紹介した時のセミナー参加者から、大学の法学部に合格した、という報告が8人からあり、更には過去のセミナー参加者で、今回ボランティアスタッフとして戻ってきた方もいる、ということでした。

 担当の方は更に続け、次は受講生が法曹界へ進み、このセミナーへ講師として戻ってきてくれれば、と今後の希望を話してくれました。


休憩中、講師の張煕懐(ジャン・シーフアイ)検察官に質問する受講生たち

休憩中、講師の張煕懐(ジャン・シーフアイ)検察官に質問する受講生たち

 セミナーの内容は、前回説明したものとほぼ同じですが、8月のセミナーでは周防正行監督の「それでもボクはやっていない」の鑑賞を行い、それを題材に議論する授業を行いました。

 「それでもボクはやっていない」は、痴漢のえん罪事件をテーマに、日本の被疑者取り調べと刑事裁判の人権軽視を扱った作品です。日本の作品が題材になったのを見るとうれしくなりますが、テーマがテーマだけに複雑な気持ちになります。


台湾の法服 裁判で見かけます

台湾の法服 裁判で見かけます

 セミナー会場で必ずかけられている法服。
 左から紫は検察官、白は弁護士、青は裁判官が裁判中に着用します。

 休憩中はこれを着て記念撮影する参加者が多く見られますが、その先に見据えるのは、未来の自分の姿なのでしょうか。


 


セミナー中の様子 参加者はお揃いのTシャツを着ています

セミナー中の様子 参加者はお揃いのTシャツを着ています

 夏休みの2回のセミナーでは、7月は台南と嘉義、8月は花蓮と台東の高校生が参加しました。

 そこで、花蓮から生徒の引率で会場に来ていた先生にお話を伺いました。
 台湾東部では、こうしたセミナーに参加できる機会は「少ない」というより「全くない」状態。また地元の大学には法学部もないので、こうした機会は、生徒たちにとっては大変貴重で有意義なものである、と話していました。

 単なる法律知識の普及に留まらず、台湾社会における地域格差(主要都市の台北・高雄がある台湾西部と、西部と比べ都市の規模が小さい台湾東部)の解決にも一役買っていることを感じた今回のセミナーでした。


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