2011年来台時の富樫勇樹
今年も8月9~17日にバスケットボールの国際交流試合・ジョーンズカップが台北市立大學天母校區體育館(2年前は台北體育學院体育館の名称)で行なわれました。
今年は、日本をはじめ、ホストチームの台湾ホワイト(未来の代表候補)、ブルー(9月の仁川アジア大会にエントリー予定の主力中心)の2チームを含む全8チームが参加。総当たりのリーグ戦を行い、その成績を1~4位、5~8位とグループを分け、最後の2日で順位決定トーナメントを行いました。日本は残念ながら予選は全敗で8位でしたが、順位決定トーナメントで意地を見せ、6位で大会を終えました。
結果はよくなかったですが、その中で地元台湾のファンの注目を集めた選手がいました。
今回はその選手を中心に紹介します。
8月9日の台湾ブルー戦より
その選手は富樫勇樹。
今年、NBAのサマーリーグでダラス・マーベリックスの一員としてプレーして高い評価を受けたことで、日本のメディアでも紹介されているので、ご存知の方も多いと思いますが、実は3年前のジョーンズカップの時に日本代表の選手として来台しました(1枚目の写真参照)。
本人も9日の試合後の記者会見時に認めていましたが、当時高校生2年生で代表初選出だったこともあり、「先輩の後をついてきた」という感じでした。また出場機会も少なく、台湾ではJBA公式HPにある170cmという身長の記載の部分ばかり強調され、富樫本人の実力に関する評価は二の次でした。
ゴール下でも大柄の選手に囲まれても果敢に向かっていきます
あれから3年。
アメリカの高校を卒業した富樫は、bjリーグの秋田ノーザンハピネッツで1年半プレーした後、退団。その後、NBAのサマーリーグを経て、今年のジョーンズカップで日本代表入りし、台湾へ帰ってきました。
5位決定戦の台湾ホワイト戦は第1Q途中で負傷退場
8月9日の初戦・台湾ブルー戦の試合開始前のメンバー紹介では、富樫の名前がコールされた時、場内の台湾のファンから歓声と拍手が上がりました。それは、NBAのサマーリーグで活躍したことで台湾のバスケファンへの認知度が上がっただけでなく、パフォーマンスへの期待の現れと言える光景でした。
3年ぶりに見た富樫は、ベンチスタートからスターティングファイブに変わっただけでなく、「自分がチームを支えているんだ」という自覚が芽生え、3年前見られた幼さが完全に消え、顔つきが精悍になりました。
試合は77ー88で日本が敗れましたが、富樫は27分18秒の出場で14得点5アシストと結果を残しました。しかし、その結果以上に自分よりも大柄の選手がプレーしている台湾ブルーの選手たちを前に、臆することなく積極果敢にゴール下でプレーし、3ポイントシュートも5投中2本決め、しっかり期待に応えました。
決勝の台湾ブルーVS韓国のウルサン現代モバイルより
今回のジョーンズカップは、台湾ブルーが決勝に残っただけでなく、ホワイトも健闘を見せたので、多くのバスケファンが会場を埋め、決勝戦は冷房が効いていないのではないか、というくらいの熱気に包まれました。日本が戦った5位決定戦の時点で、会場は9割くらい埋まっていましたが、その多くは富樫のプレーに期待を寄せ、声援を送りました。
その一方で、日本ではどうでしょうか。
富樫がかつての田臥勇太のようにNBAでプレーするようになり、初めて彼に大きな注目が集まり、声援が送られるようになるのでしょうか。
富樫が日本の男子バスケ界を明るく照らす希望の光になり、広く日本のファンに認知される選手になることを祈ります。
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