オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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2008年のリーマンショック以来、金融危機を引き金にした不況が長引いたまま、さらに今の状況が悪化しつつあるオランダの経済。一般家庭への経済的打撃は、想像を超えるものになっています。たとえば、毎日の食事に困る(生鮮食料品が購入できない)人や、子どものための衣料品も買えないという家庭数が増大し続けています。


オランダの『サファリ』を歩く観光客たち

オランダの『サファリ』を歩く観光客たち

毎日の食事にも困るほどですから、娯楽などはもってのほか。特に、夏休みや冬休みなど、バカンスを送ることはオランダ人にとって最大の楽しみでしたが、自粛ムードが続いています。それでもどこかへ行きたい!という人たちは、なるべくお金がかからない国内旅行に出かけることがもはや当然になっています。


これに眼をつけたのが、オランダ国内の自然公園です。『国内サファリ』と称し、アフリカのようにジープに乗ってオランダの野生動物を見てまわるツアーを売り出しました。このツアーは、子連れの家族に大好評。そこで他の公園でも、同じような趣向のツアーを組む予定だということです。


自然を楽しむのはいいが、破壊しないよう、マナーを守ルことが大切。

自然を楽しむのはいいが、破壊しないよう、マナーを守ルことが大切。

しかし、問題も起きています。それまでは、誰も足を踏み入れたことのないような自然の森林や草原に、ジープや観光客が続々と訪れるのですから、それまで保たれていた自然の状態や生態系までが破壊されるのでは、と懸念がもたれています。それでも、旅行会社や自然公園のある地域の市町村は、かなり乗り気です。それまでは、海外旅行をしていたバカンス客のほとんどが、不況のために国内旅行へと切り替えたのですから、当然のことながら観光収入に期待がかかるというわけです。


この問題は、遅かれ早かれ国会でも討論される予定だということです。観光収入も大切ですが、自然を利用して収入を得ることに疑問を感じる国民もたくさんいるからです。ただ、ひとりひとりが自然を愛し、マナーを守るのならば、このような問題も起きないと思うのですが・・・。


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