オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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子どもが、小学校高学年になるというのに、まだ保護者の『お手伝い』が必要なのが、オランダです。典型的なオランダ人というと、子どもが小学校6年生になっても、送り迎えをするのが当たり前。これをしないと、『親として育児に手を抜く怠惰な人』とされ、担任から注意を受けたり、下手をすると、児童相談所の所員の世話になったりします。つまり、子育てに積極的ではない親、と見られてしまうのだそうです。


子どもが下校したら、さっさと帰宅、という親も多い。

子どもが下校したら、さっさと帰宅、という親も多い。

送り迎えを小学校の6年間、行なうということは、毎日、他の保護者と顔を合わすということです。また、越境通学が少ないオランダでは、クラスメートも向こう三軒両隣の子ども、ということになり、親たちにとっては御近所同士ですから、いろいろな噂話が、話題に飛び交うことも少なくありません。つまり、何から何まで知りつくしている人びとと、毎日、イヤでも顔を合わすことになるわけです。


また、子ども同士が仲良くなれば、放課後に家に遊びにやってきたり、行事を一緒に行なったり、と、接触が多くなるので、親同士も結局は、つきあわなくてはならないことに。明らかに、顔で笑って心の中では・・といった表情の親がたくさんいるのがわかります。


いつもながらの下校時風景。

いつもながらの下校時風景。

特に、子ども同士がケンカをしたりすると、親同士の間柄も悪化するのは当然ですが、毎日、顔を合わせなくてはいけないことから、何か問題がおきると、激しい言い争いになることもあります。保護者会ともなれば、こういった問題の論争が激化し、父兄が派閥を作ったりして、一大事に。たかがケンカ、されどケンカ、といったところでしょうか。


私の知り合いのオランダ人女性は、こういった父兄同士のつきあいといらぬお節介が原因で、うつ病を患ってしまいました。また、父兄同士でニアミス(?)しないよう、勤務先に依頼し、出勤時間を変更してもらった人もいます。こうしてみると、子どもを介して知り合った人たちとの接触を、徹底的に避けたがっている父兄がほとんどです。校庭で、子どもを迎えに行くと、いつも決まって彼らが口にしているのは、『やれやれ、あと1年で、ここに来なくてすむようになる!』というセリフ。父兄同士の付き合いは、難しそうです・・・。


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