オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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7月末から8月にかけてはオランダの新学期。毎年、この季節になると真新しいカバンを肩にかけ、自転車で颯爽と登校する中学生たちの姿が一般道や通学路にあふれます。子どもたちのはじけるような笑顔は、それまでの苦労の積み重ねが一気に花開いた、というすがすがしい感じをこちらに与えます。


中学生と一緒に工作に臨む小学校高学年生たち。

中学生と一緒に工作に臨む小学校高学年生たち。

えっ、自由の国・オランダの子どもたちが、苦労を積み重ねるの?とビックリなさる方がいらっしゃるかもしれません。実は、そうなのです。オランダの子どもたちは、小学校入学時(4歳)から最終学年の12歳になるまで、すべての成績の結果が、中学入学のときに最もモノをいうからです。


人気がある化学の本格的な授業は、中学生になってから。

人気がある化学の本格的な授業は、中学生になってから。

これといった、中学入試試験はありません。小学校を卒業する年の2月になると、CITO(シト)と呼ばれる、全国卒業認定試験を行なうのみです。この試験では、国語と数学、そして一般常識に関して、どのくらいの知識があるかを調べるのですが、あくまでも重要なのは、『小学校を通じて、どのくらいの成績を収めてきたか』ということに尽きるといわれています。


つまり、『小学校3年生のときに、算数の成績が悪かった』とか、『小学5年生のときの国語が芳しくなかった』など、担任から通達を受けると、親たちはショックを受けることもあります。というのは、その成績がそっくりそのまま内申書に記され、希望する中学校への入学に影響するからです。


しかし、逆に考えてみると、入学試験の結果だけで受験成功・失敗が決まるよりも、『学習したことの歴史』として小学校の成績が中学入学に最も重要、というのも一考あり、かもしれません。8年間(オランダの場合)の小学校生活を通じて努力したことの結果が、今の中学生の輝くような笑顔になっている、ともいえるでしょう。


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