オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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約10年ほど前からオランダでは、バスなどの公共交通機関、つまり公共の乗り物を利用する際に、切符をわざわざ購入しなくても済むよう、デビット・カードの使用が可能となっています。このカードは、OV(オー・ヴィー)チップカードと呼ばれ、バス、列車、トラム(路上電車)、トローリーに乗車するとき、備え付けられたチェック機能記載のマシンに押し当てて使うだけで、乗車料金が自動的に銀行口座から引き落とされるという便利なものです。


カードは、こうやってスキャンする

カードは、こうやってスキャンする

しかし、便利は便利なのですが、使い方がまだ不便、といった感は否めません。実はこのカード、乗車するときと下車するときにの2回、上記のマシンに押し当てる必要があるのです。これは、乗車してから下車するまで、『乗った距離』の料金を支払うシステムとなっているためで、もし、下車するときに、押し当てることを忘れると、『乗ったままで下車していない』ことになり、とてつもない距離にかかる料金を支払わされることになります。しかし、下車するときに、押し当てることを忘れる人が非常に多いのです。



この、下車するときの押し当て忘れにより、1年間で日本円にして約30億円もの乗車料金を国民が無駄にしていることになるということです。もちろん、押し当て忘れたせいで課せられてしまった料金は、クレームすれば返金してもらえますが、請求しても、約1年後くらいの忘れた頃に、やっと返金されるというスロー・テンポな対応のため、そのままにしてしまう人が多いのだそうです。


また、このカードをどこかに落としてしまうと、誰かにさっさと使われてしまうケースが後を絶たず、その点も問題となっています。外国からの観光客も、1日~2週間くらいの間のみ有効な、このカードを購入することができますが、外国からの人たちに聞いたところによると、『こんなに難しいカードなら、切符を買った方がよっぽど楽!』だということです。


『カードは難しい・・・』と、昔ながら(?)の切符を求めるシルバー世代の人たちも

『カードは難しい・・・』と、昔ながら(?)の切符を求めるシルバー世代の人たちも

それでは、なぜ、このような難しい(?)カードが使われるようになったのでしょうか。その第1の理由は、キセル防止のためだそうです。ただ乗りを指摘し、切符を買った、買わないで運転手ともめる乗客が後を絶たず、時には暴力沙汰になったりすることが重なったため、このカードの使用に踏み切ったのだとか。しかし、発行から約10年もたっているのに、いまだに使いこなせない人が多いというのは、不便、といえなくもない気がしてきます・・・。


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