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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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全力でシュートをブロック!

全力でシュートをブロック!

 前回、大学バスケUBAの女子決勝で奮闘を見せた佛光大學(フォーグワンダーシュエ)を紹介しましたが、今回はその後の男子決勝で奮闘した高雄師範大學(ガオションシーファンダーシュエ)を紹介します。

 高雄師範大學は、高雄市にある国立大学で、全5学部19学科、総学生数約7000人の大学です。「師範大學」は日本でいうところの教育大学に相当し、高雄師範大學はこれまで台湾南部の教育界に大きく貢献している大学です。

 ちなみに、UBAでの過去最高の成績は7位。
 今年は、予選から決勝に至るまで1敗しかしておらず、優勝に期待が持てる状態にありました。


残り33.1秒で3ポイントシュートが決まり、大喜びの高雄師範大學のベンチ

残り33.1秒で3ポイントシュートが決まり、大喜びの高雄師範大學のベンチ

 決勝の相手は、2年前の優勝チームの台湾藝術大學(タイワンイーシューダーシュエ)。1次、2次予選の通算成績は5位と芳しくなく、チームの状態がいい高雄師範大學が有利、と見ていました。

 試合は、決勝前日までに2試合行い、苦しい試合を乗り越えて決勝に上がってきた台湾藝術大學が終始優位に進めますが、高雄師範大學も粘り、56-56で最後の1分を迎えます。

 残り33.1秒で、高雄師範大學の3ポイントシュートが決まりますが、台湾藝術大學もタイムアウト明けすぐ28.3秒で3ポイントシュートを決め、59ー59。その後、両チームとも2ポイントを加え、61ー61で延長に入ります。


勝者を見つめる目には涙が光ります

勝者を見つめる目には涙が光ります

 延長は、2年前の優勝経験者が多く在籍する台湾藝術大學が安定したプレーで試合を優位に進める中で、高雄師範大學もファウルプレーで粘りますが、70-76で敗れ、上の写真のように悔し涙に暮れました。



試合終了後に行うダンス、いつもは笑顔で行いますが、この日は涙目でした

試合終了後に行うダンス、いつもは笑顔で行いますが、この日は涙目でした

 試合終了後、高雄師範大學の選手をはじめ、チームスタッフの顔には涙が止めどなく流れ、試合終了後に行う上の写真のダンスも、涙で顔を濡らした状態でした。


徐耀輝(シュー・ヤオフイ)ヘッドコーチ(右)はチームスタッフを慰めます

徐耀輝(シュー・ヤオフイ)ヘッドコーチ(右)はチームスタッフを慰めます

 涙の選手たちを遠巻きで眺めていた徐耀輝HCは、最後に上の写真のように選手、チームスタッフを優しく抱き寄せ、ねぎらいました。

 手元にある専門誌によれば、徐HCは規律を重視し、選手が授業を無断で休む、練習の時間に遅刻するなどの違反があった場合は、「半年間丸刈り」のペナルティを科し、厳しく指導しているそうです。
 また、選手たちの視野を広げるために、毎週の読書会の出席も義務づけ、レポート提出もさせているということで、他のチームとは違う形で選手の育成に力を入れています。

 そのチームが魅せた粘りのバスケは、観戦した人たちに強烈な印象を残しました。


*試合の映像
http://www.youtube.com/watch?v=mnFDlgPzMfE


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