5月26日(月曜)から、バンクーバーのあるBC州の教員の労働組合、BC Teachers\\\\\\\' Federationによる巡回ストに入りました。
巡回ストとは名前の通り、自治体別に巡回、すなわち順にストライキを行うというもので、広域バンクーバーでは26日はバンクーバーやニューウエストミンスター市、27日はリッチモンド、メープルリッジ、ラングレー市、28日はデルタ、コキットラム、29日はノースバンクーバー、ウエストバンクーバー、バーナビー、サレー市…。
公務員はストを禁止されている日本人の私にとって、驚きの教員によるストライキ。カナダでは公務員もストを許可されているため、これまで病院スタッフのストもありました。教員については、2000年に上の子がキンダーガーデンに進学してから、14年間で3回目になると思います。
一番ひどかったのが2005年で、約2週間にわたりBC州の公立の小中高校の先生たちが授業をしてくれませんでした。カナダでは10歳ぐらいまでは子どもだけでは自宅にいることもNGなので、急きょ面倒を見る人を探したりで、大変な目にあった人も多かったものです。
それから2012年も2005年ほど全面的な戦いにはならなかったものの、通知表をつけること、時間外の課外活動のサポートなどの拒否があり、働いている保護者も出席しやすいようにと、平日の夕方に行われていた卒業式が昼間に行われました。
ストの争点は毎回ほぼ同じ。1クラスの定員が多すぎることや、給与が低いというものです。たとえばバンクーバーのあるランクの教員は年収7、万4353ドル(700万円)。対してアルバータ州のエドモントン市では9万5354ドル、ウィニペグ市8万4681ドルということです。
Global Newsのウエブサイトで見つけた給与比較
一方、Global Newsの報道によると、BC州での初年度の教員給与は、首都のあるオタワ、そしてカナダ最大の都市を擁するオンタリオ州より高くなっています。そもそもアルバータ州は石油をはじめ資源が豊富なので、税金が低く、比較対象とすべきなのか疑問を感じます。
職業別給与比較(出典www.salaryexplorer.com)
フリーランスでライターをしている身にすれば、教師の給与は羨ましい限りです。さらに、日本と同じく公務員は年金などで、他の仕事に比べると優遇されているように感じられます。
クラスの定員についても、小学校の低学年だと20人以下だし、高校生でも35人もいなかったはず。「ええ加減にしなさい!」って言いたくなるのですが、カナダ人たちは、これまでも「政府は教育をもっと重視すべき」「先生ももちろん、ストをする権利あり」と先生擁護派が多いことにも驚かされます。だいたい、教師の給与を上げると、税金がそちらに使われることになり、増税につながりかねないことも分かっているのでしょうか。
学校前に集まる教員の皆さん
9月から6月が1学年のカナダでは、6月はまとめの月。高校生には進学を左右する大きなテストも行われます。
高校生の娘によると、「ほとんどの先生はストなんてしたくないけど、組合員としてやむなく参加している」という話。ある意味、このテストの成績は自分たちにとっての通知表と考える教師も少なくないようで、授業ができないことで困っているとも聞きます。
いずれにせよ、一番の被害を受けるのは、次世代を担う子どもたち。早く解決してほしいものです。
レポーター「西川 桂子」の最近の記事
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タグ:スト、公務員、労働争議
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1 - Comments
かなやより:
2014 年 06 月 10 日 16:46:34
おっしゃる通り、子供たちには迷惑をかけてほしくありません。
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