オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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邪視を跳ね返す、たくさんの『目玉』

邪視を跳ね返す、たくさんの『目玉』

ギリシアのクレタ島やコス島、その他の島々へ行くと気が付くのは、同じようなお土産が多い、ということ。もちろん、特産物がどの島でもほぼ同じ、ということもあると思いますが、その中で最もよく目にするのは、目をモチーフにしたブレスレットやキーホルダーです。


最初、これを目とは思っていなかった筆者は、何かの模様かと思っていました。しかし、ギリシアのコス島から船で約20分のトルコまで渡ると、これが単なる模様ではない、ということに気が付きました。これは、『邪視』と呼ばれるものを跳ね返す、威力を持った『瞳』をお守りとして商品化したものだったのです。


お土産には、最適かもしれないデザインのアクセサリー

お土産には、最適かもしれないデザインのアクセサリー

邪視、とは一体なんなのでしょうか。 これは、誰か(不特定の人)から、恨みを含んだ瞳でじっと見つめられると、災いをこうむる、という言い伝えから生まれた、信仰の一つです。人々に被害をもたらす瞳を邪視とよび、この瞳ににらまれたら最後、病気にかかったり、不幸に見舞われたりするという言い伝えがあり、不幸はすべて、この邪視によってもたらされた、と考えるのです。この信仰は、イスラム社会内のみと考えられがちですが、他の文化でも同様の信仰が見られるといわれ、現に、ギリシア正教でもあるギリシアの島々でも、この邪視信仰がれっきとして残っています。







ギリシアをはじめ、ヨーロッパ人がよく口にすることがあります。何か他人から理不尽なことをされたとき、『なぜ? と理由を考えても始まらない。とにかく、人間関係のトラブルは、嫉妬が基本になっているから、気を付けないと!』という言葉がそれです。トラブルのもとは、そのほとんどが嫉妬から来ているとする考え方が、そこにはあるようです。そして、妬む心を生むのは、邪視(他人を羨ましい、と嫉妬してにらみつけること)だと、彼らは考えているのだそうです。


トルコでも、ギリシアでも、この邪視を跳ね返す威力を持つ石が、お土産として売られています。邪視、というと、ちょっと怖い感じもしますが、魔よけという意味で身に着けるとすれば、アクセサリー的にはとてもきれいで、お土産にももってこいかもしれません。また、特にバカンスでギリシアを訪れた女性や子どもたちに人気があり、店の人たちも、子どもたちには無料でプレゼントしたりしています。


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