オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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青い塗料を使い、風車を描いたデルフト焼きで知られるデルフト市にある工科大学は、市内の中心部にあります。この大学は、オランダを代表する著名建築家を輩出してきたことで有名ですが、校内には、特出したデザインと構造を誇る存在の図書館があります。


幾何学的な感じは、工学大学ならではのデザイン

幾何学的な感じは、工学大学ならではのデザイン

まず、外観のユニークさは特筆すべきでしょう。大学の敷地内のなだらかな丘のスロープが、図書館の屋根部分に利用されているのです。また、芝生をたたえた図書館の屋根は、雨水の蒸発を促すことにより、夏でも館内を快適な気温に保つ冷却効果が見込まれているそうです。さらに、シンボルとして取り付けられた、全長42メートルの円柱タワー中央部分には、明かり取りの役割を果たすダブルグラスが使用されています。


ユニークなのは外見だけではない?

ユニークなのは外見だけではない?

4フロアに分かれた館内は非常に明るく、冬でも効果的に太陽熱を取り込めるようになっているそうです。特徴ある円柱タワー内には、螺旋状にフロアが張り巡らされており、建物の中央にある空間を無駄なく使用している好例といえそうです。


上手に空間を利用した図書館内部

上手に空間を利用した図書館内部

それでは、図書館としての機能はどうなのでしょうか。コンピューターが完備された回覧室はもちろん、書架にぎっしり所蔵された書籍は、許可を受ければほぼ全書籍、貸し出してもらえるそうです。


工科大学の図書館、というと堅いイメージがつきまとうかもしれません。しかし、ここは、人々をつなぐ憩いの場としてのイメージを広めるための努力をも怠っていないようです。市民の興味を惹きつけるため、コンサート・ホールとして地下ホールを開放したり、ソーシャル・ネットワークの講座を定期的に開催したりと、誰もが気軽に足を運べる場としての図書館活用を促進しているといえそうです。デルフト市を訪れたときには、ぜひ一度、足をのばしてみてください。


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