スウェーデン

スウェーデン:ウメオ

山本 グィスラソン 由佳(やまもと ぐぃすらそん ゆか)

職業:音楽関係
居住都市:ウメオ(スウェーデン)

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イタリア歌曲として、日本でも広く知られる「サンタルチア」
元々ナポリ民謡ですが、スウェーデンでは「全く別の意味」で国民によく知られる曲です。

12月13日前後の日程で、学校や街中、教会などでよく行われる「聖ルチア祭」という国民的行事。

この聖ルチア祭の特徴は必ず
「サンタルチアで始まり、サンタルチアで終わる」
サンタルチアを歌いながらグループ(学校なら子供たち、合唱団など)が行進して入場し、その後数曲クリスマスソングが披露され、サンタルチアを歌いながら退場、これが大まかな流れです。
その後はルセカットと呼ばれるサフランパンや、グロッグと言われるワインを温めたような飲み物(アルコールフリーもあり)とともに懇親会が行われることが現在では一般的です。

「聖ルチア祭」は元々、聖ルチアの聖名を祝うことが目的で発祥された行事で、12月13日の朝に行われるのが正式とされていますが、現在はより庶民的なクリスマス行事へと発展し、前後の日程や昼間の街中でも見られるわけです。


街中の「聖ルチア祭」

街中の「聖ルチア祭」

この「サンタルチア」についているスウェーデン語の歌詞は、子供向けの簡単なもの、より大人向けのもの、そしてキリスト教と結び付きの強い敬虔なもの、の3種類ぐらいが知られています。

「聖ルチアが一年のなかでも暗い時期に光を灯す」という意味で、サンタルチアが歌われるようになったと言われていますが、

クリスマスといえば「サンタクロース」
スウェーデン語では「ユールトムテ」と言われますが、サンタクロースとサンタルチアの言葉の類似からも、サンタルチアというと「クリスマスソング」というイメージが、国民の間で根強いようです。
そして、幼稚園や小学校でよく行われる聖ルチア祭ということから「童謡」というイメージでもあるのです。

しかしイタリア歌曲の「サンタルチア」が、「クリスマスソング」もしくは「童謡」という観念のほうが強いスウェーデン。国が変われば曲の捉えられ方が異なる、興味深い点とは存じます。





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